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市場参加者にとって予想外の方針変更
日本銀行が28日に行われた金融政策決定会合で、長短金利を操作するイールドカーブ・コントロール政策の運用変更を決めた。
具体的には、指し値オペの水準を0.5%から1.0%に引き上げることなどが盛り込まれた。
マーケット関係者らは、日銀の政策が「何ら変更されないだろう」と予想していた。
そのため、想定外の方針変更に対し、市場では戸惑いの声が聞かれる。
日経平均株価は、この発表を受けて一時800円超値を下げて、その後は下げ幅を縮小。131円安で大引けを迎えた。
YCCとは?
YCCとは、イールドカーブ・コントロールの略だ。
中央銀行が特定の国債の利回りをコントロールする。
日本では、黒田前日銀総裁が、YCCを継続してきた。
YCCのメリット
- 金利水準が安定する
- 低金利環境を維持できる
- 低金利となることで、経済活動を活性化できる
YCCのデメリット
- 長期金利が、人工的なものになる
- 市場に歪みが生じる
- 金利を抑え込むと、インフレリスクが高まる
YCC運用の見直しは、昨年以来初
日銀によるYCC運用の見直しは、昨年12月に「10年物国債利回り」の許容変動幅を変更して以来。今年に入って初となる。
前回は、国債利回りの許容変動幅を「0.25%程度から0.5%程度」に拡大していた。
また、それと同時に、連続指し値オペ制度を導入し、ほぼ毎営業日実施してきた。