A-bookとB-bookとは?
そもそも、「A-book(エーブック)」と「B-book(ビーブック)」って何だろう・・・聞いたことないな・・・言葉の意味が分からないな・・・と思われている人も多いだろう。
このページは、そんな皆さんのために書かせていただいたので、ご安心を。
どうか最後までお読みいただき、ぜひご参考にしていただきたい。
「A-book)」と「B-book」は、FXトレーダーが、FX業者を選らぶ際に非常に重要なポイントだが、現状ではそれらの情報(知識)の認知度はそれほど高くなく、疎かにされてしまっていることも多い。
そのため、当サイト管理人の私は、このような形で「A-book」と「B-book」に関する情報の普及を行うことにした。
本稿では、A-bookとB-bookの違いとメリットとデメリットに関する説明、用語の意味の説明、それらの関連知識の説明などをさせていただくので、少しでも皆さんのご参考になれば幸いだ。
A-bookとB-Bookの最も大きな違い
A-bookとB-bookのFX業者の最も大きな違いは、「取引の透明性・信頼性」の有無だ。
「有無」というほど、その透明性・信頼性の違いは大きい。
それでは、「取引の透明性・信頼性」とは何なのだろうか?
FX業者の取引透明性の話
簡潔にいうと、A-book(エーブック)は「取引の透明性・信頼性が高い業者」であり、B-book(ビーブック)は「取引の透明性・信頼性が低い業者」のことだ。
それでは、そもそも、取引の透明性・信頼性とは何だろうか。
取引の透明性や信頼性とは?
本稿では、FXトレーダーの意図した注文や、インターバンク市場からの価格の提示に関して「他人(FX業者)の何らかの意図」が介在する割合が低いほど、「取引の透明性・信頼性」が高いと定義している。
本来であれば、自分のコンピューターがインターバンク市場に直接つながっていれば、最も「取引の透明性・信頼性」が高いということになるのだが、なかなか経費的にも、そういったことは実現できないだろう。
そこで、FX業者に頼って、自分の取引をインターバンク市場に繋いでもらう訳だ。
しかし、インターバンク市場から提示された価格がそのまま私たちに提示されているのか・・・私たちが出した注文が、FX業者によってそのままインターバンク市場に流してもらえているのか・・・といったことが、問題となる訳だ。
本稿では、それらの「取引の透明性・信頼性」について、他のウェブサイトでは分からないことも含め、徹底的に丁寧に解説させていただく。
用語の説明
インターバンク市場とは?
「インターバンク市場」とは、FX業者の提携先などの金融機関など、限定された市場参加者が取引を行うマーケットのことだ。
NDD方式のFX業者は、こちらに顧客であるFXトレーダーの注文をそのまま(一切触らず)流してくれる。
一方で、DD方式のFX業者は、顧客であるFXトレーダーの注文を流すことなく、自社がそのFXトレーダーの取引相手となり、FX業者が買い取ったポジションを適切なタイミングでインターバンク市場で売ることで利益を得る。
そのため、DD方式のFX業者とFXトレーダーが取引を行うと、両者間で利益相反が生じるのだ。
カバー先とは?
FX業者にレートを提示している金融機関のことだ。
FX業者は常に複数の金融機関からレートの提示を受けており、カバー先が多ければ多いほど、NDD方式であっても「約定拒否」といったトラブルが生じにくい。
A-bookの基礎知識
A-book、NDD方式の基本のキホン
まず、A-book(エーブック)の前提として「NDD方式(STP方式又はECN方式)」である必要がある。
A-bookは、顧客から受けた注文を触らず、そのままインターバンク市場に流すのが一番大きな特徴だ。
その中でも、「真のA-book(エーブック)」というには、「NDD方式」の中でも「ECN方式」に限られる。
なぜならば、STP方式の場合、FX業者の裁量で、FXトレーダーへの配信レートに手数料相当のレートを上乗せするからだ。
もっとも、「FX業者の裁量で」と書いたが、STP方式の口座開設時の規約に「配信レートへの手数料分の上乗せ」は必ず書かれていることであって、FXトレーダーはかかる事項について、口座開設時に予め同意しているので法的な問題は無い。
真のA-bookとは?
数々のFXトレーダーから信頼され、心から安心して取引ができる「真のA-book(エーブック)」のECN方式とはどんなものだろうか。
第一に、レート配信時に「レートの上乗せ(レート操作)」は一切行わないことが最も大きな特徴だ。
それはまさに、取引の「透明性・信頼性」の象徴ともいえる事実だ。
そして、別途「少額の手数料」を徴収する(傾向にある)口座タイプのことである。
A-bookのFX業者の具体例は?
A-bookのFX業者は、世界中を見渡しても非常に貴重な存在だ。
日本のFX業者の99%は、A-bookとはいえない。
というのも、そもそも日本のFX業者の95%はDD方式であると公表している。
そして、残りの5%の日本のFX業者は「NDD方式」だと謳っているものの、DD方式まがいのグレーな行為を行っている業者がほとんどだ。
これは、日本のFX業界において現役で勤めるカバーディーラーの知人や、その他複数の業界関係者から得た情報をもとに、しっかりと事実確認を行っているので、本稿を信用していただいても良いのではないかと思う。
さて、A-bookのFX業者の例としては、当サイトの別記事でご紹介している「AXIORY(アキシオリー)」のナノスプレッド口座(ECN方式)などが挙げられる。
他にも、Traders Trust(TTCM)、Tradeview ILC口座が、A-bookのFX業者として有名だ。A-bookの業者は、手数料徴収のために「レートの操作・レートの上乗せ」といったことを一切行わないため、NDD方式の中でも最も「透明性が高い」のである。
B-bookの基礎知識
B-bookとDD方式の基本のキホン
NDD(ノー・ディーリング・デスク)方式に対して、DD(ディーリング・デスク)方式というFX業者のことをB-book(ビーブック)という。
そして、DD方式のFX業者には、カバーディーラーが在籍し、顧客であるFXトレーダーから自社に来た注文を「捌いて」いる。
つまり、顧客から来た注文を「インターバンク市場」に流さず、カバーディーラーが受け止めて、「カバーディーラー対FXトレーダー」という構図で取引している。
常に顧客の資金を狙うFX業者
DD方式のFX業者は、常に虎視眈々と顧客であるFXトレーダーに負けてもらい、自社の利益に繋げようとしている。FX業者も一般の営利企業なのである。
「顧客の口座から、いかに資金を抜くのか・・・。」
これが、DD方式のFX業者の最大の経営上のテーマである。
合法的に顧客資金を口座から抜く方法は、顧客であるFXトレーダーにトレードをしてもらい、顧客に負けてもらうしかない。
実は、当サイトの管理人の私は、DD方式の日本のFX業者で現役で働くカバーディーラーと会って話をしたことがあり、その内情を色々と話してくれたので、その話をもとに本稿を執筆している。
カバーディーラーの仕事
顧客であるFXトレーダーがDD方式のFX業者に「買い」注文を出すと、DD方式のFX業者は「売り」ポジションを持った状態となる。
万が一、FX業者が無策で一切手を打たず、その顧客であるFXトレーダーの相場観が正しくて相場が上がれば、顧客であるFXトレーダーは儲けて、顧客に「売った」FX業者は、その分だけ損をしてしまう。
しかし、一般的なFX投資家の95%は、下手糞トレーダーだ。
したがって、DD方式のFX業者が顧客のFXトレーダーの言われるがままに「相対取引」をして、何もしなければ「FX業者」が自然と勝つことになる・・・。
ところが、残りの5%が「驚異的な大勝」をする天才的トレーダーなのだ。
したがって、DD方式のFX業者が、その5%に対して「完全無策」という訳にはいかない。まさに、「コツコツ(95%の下手糞で稼ぐ)」「ドカン(天才トレーダーのせいで大損)」になりかねない。
そこで、カバーディーラーは、「ドカン」を防止すべく、「必要に応じて」リスクヘッジとなる注文をインターバンク市場に行う。
これが、カバーディーラーの業務の8~9割を占める。
より具体的に説明すると、DD方式の国内FX業者は、常に顧客であるFXトレーダーから「買い」と「売り」の注文を受けている。
そして、顧客の全ての「買い」と「売り」は、金融庁の通達により、国内FX業者が相殺することができる。
一定期間で「買い」と「売り」を相殺して集計後、足が出た部分(リスク許容範囲外)については、その国内FX業者(DD方式)がカバー先に発注するのだ。
DD方式のFX業者は自社利益最優先
B-book、DD方式のFX業者は、「顧客志向」を謳っているところばかりだが、それは真っ赤なウソだ。
むしろ、顧客であるFXトレーダーに利益を出してもらうことなど、ハッキリ言ってどうでも良い・・・というか、顧客であるFXトレーダーに利益を出してもらっては困るのだ。
なぜならば、再三説明したように顧客の利益は、すなわちDD方式のFX業者の損失に直結するからだ(利益相反関係)。
DD方式のFX業者は「顧客と利益相反」
先ほども書いた通り、DD方式のFX業者(カバーディーラー)とその顧客であるFXトレーダーは、「相対取引」をしている。そのため、両者は「利益相反関係」にある。
つまり、顧客が稼げば、その利益分がそのFX業者にとっては損失になる。
DD方式のFX業者が稼ぐには、顧客にその分、必ず負けてもらわなければならない・・・「金融庁公認のFX業者」と名乗って投資環境を提供しているとは思えない、なんとも歪な関係だ。
B-bookのFX業者の例
日本のFX業者の9割以上は、DD方式だ。
様々な人から聞かれることが多いので、いくつか具体的な業者名を挙げていきたい。
DD方式(B-book)の日本のFX業者一覧
みんなのFX | 公式サイト |
為替どっとコム | 公式サイト |
GMOクリック証券 | 公式サイト |
DMM FX | 公式サイト |
SBI FXトレード | 公式サイト |
FXブロードネット | 公式サイト |
FXプライム by GMO | 公式サイト |
JFX | 公式サイト |
SAXO BANK | 公式サイト |
セントラル短資 | 公式サイト |
LIGHT FX | 公式サイト |
NDD方式のメリットとデメリット
透明性・信頼性の高い取引環境を提供してくれるという意味で、クリーンなイメージしかない「NDD方式」だが、メリットとデメリットがあるのでご紹介させていただこう。
メリット
- 透明性・信頼性の高い取引環境
- 大数の法則により、FX自動売買に最適(インターバンク市場に注文が流されるため。)
- 一般的に手数料が安く、取引コストが安価
デメリット
- キャンペーン、ボーナスなどの施策の実施頻度が少ない
- スリッページ、約定拒否が比較的起きやすい
DD方式のメリットとデメリット
DD方式のFX業者は、顧客であるFXトレーダーとの相対取引により「利益相反関係」が生じてしまっている時点で、それ自体が大きなデメリットだ。
そのデメリットを打ち消すことができるようなメリットはあるのだろうか・・・?
メリット
- 1000倍くらいのハイレバレッジで取引できる(海外FX業者限定)
- キャンペーンやボーナスなどの施策が多い
- 約定力が高い
- 固定スプレッドが狭い
デメリット
- 稼ぎすぎると、FX業者(DD方式)から悪質な「嫌がらせ」や「口座凍結」をされる可能性あり(稼ぐFXトレーダーは、そのFX業者の収益を悪化させる存在なので。)
- 取引の透明性・信頼性が乏しい
- 両建てやスキャルピングを禁止するなど、独自ルールがあるところも多い
DD方式のスプレッドに惹かれる人が多い
半ば無理やり「メリット」として挙げさせていただいたが・・・「固定スプレッドが狭い」という部分が、FXトレーダーへ提示する「甘い蜜」のようなものだ。
「固定スプレッドが狭い」という、数値的に分かりやすい理由でFX業者を選べば、投資家として、なんとなく合理的な選択ができたような気がするのではないだろうか。
しかし、「DD方式の中身」の部分を勉強せずに理解していない人が多いため、そのままDD方式のFX業者を選んでしまうのである。
ひっそり行われる嫌がらせ
デメリットとして挙げさせていただいたが、日本のDD方式のFX業者は、顧客であるFXトレーダーが稼ぎすぎると、自社の利益をひっ迫する。
そこで、FX業者(DD方式)は、ストップ狩りや約定拒否、微妙なレート調整などの嫌がらせをプロのカバーディーラーや「顧客対応専門部署(カスタマーサポートではなく、顧客を解約に追い込むための部署)」が担当することが多く、B-bookでDD方式のFX業者が、顧客が自ら口座解約するように仕向けるのは、ネット上でも最近かなり有名になってきた。
なお、FX業者(DD方式)のカバーディーラーや、いわゆる「顧客対応専門部署」もプロフェッショナルである。したがって、チャートに嫌がらせの形跡が残るような事は、絶対に行わない。
万が一、顧客のFXトレーダーと揉めて裁判になってしまったときに、そのチャートが証拠として採用されてしまうからだ。
カバーディーラーってどんな仕事?
本稿で度々登場した「カバーディーラー」という仕事に興味を持った人もいるのではないだろうか。
DD方式のFX業者で、「5%」の稼ぎ屋トレーダーに「ドカン」とやられないようにするために「リスクヘッジ」を行うのが主な仕事だ。
95%の一般トレーダーは、放置していても勝手に負けてくれるので、その分、自社の収益になるのだが・・・。
「5%」の天才トレーダーに「ドカン」と勝たれてしまうと、最悪の場合、FX業者が破綻してしまうのでしっかりと「リスクヘッジ」を行う必要がある。極めて高度なテクニックと論理的思考力、瞬発力等が要求される職業だ。
求人を検索してみた
Yahoo!やGoogleで求人を検索してみると、いくつか日本のFX業者の「カバーディーラー」の求人がヒットしたのでご紹介させていただきたい。
社名を堂々と出して「カバーディーラー」を募集するのは、自社が「DD方式(B-book)」だと公表しているに等しいので、私個人的には、経営戦略上得策ではないと思うのだが・・・(近年では転職エージェントに任せて社名非公表で求人を出すことも可能だ。)。
トレーダーズ証券の求人
その他、画像には載っていないが、応募資格として以下のようなことが書かれている(抜粋)。
応募資格 |
【必須要件】 ■カバーリング業務経験【歓迎要件】 ・証券外務員一種資格 ・業務でのExcel使用経験(関数、マクロ) ・英語力に自信のある方 ※専門性取得OJT/社内研修を経て学んで頂けます。ご経験だけでなく、興味やお気持ちを重視しています。 【カバーディーリングとは】 拠金会社(FX取扱会社)が、為替レートを有利に動かすことができない為、為替市場に依存しています。顧客の取引によって生じる会社のリスクを回避する為に、顧客からの注文と同等の注文を他の外国為替を扱う会社と行う取引の事 |
日本のFXトレーダーの9割が数年以内に退場する理由
結論からいうと、日本の9割以上のFX業者はDD方式だ。
そして、日本人のほとんどのFXトレーダーは、それらのFX業者(DD方式)で取引をしている。それが、日本人FXトレーダーの9割以上が数年以内にで退場する理由だ。
多くの日本人FXトレーダーが毎年退場していく一方で、日本のFX業者(DD方式)は、収益を増やし続けて成長し続け、沢山の広告を打って新たな被害者を募集している・・・。
DD方式のFX業者は賭博・遊技場
私は、DD方式のFX業者(日本の9割以上)に関しては、金融庁公認の「インターネット上の賭博・遊技場」だと思っている。
胴元が必ず儲かり、FXトレーダーは「儲けるぞ!」という壮大な夢を見ながらお金を賭ける。
しかし、結果は初めから決まっているのである。
FX業者(DD方式)では、仮に「勝ち組」に入ると99%以上の確率で「嫌がらせ」をされて、解約に追い込まれると思っておこう。
そもそも、FX業者(DD方式)の営業形態自体、つまり、インターバンク市場に顧客であるFXトレーダーの注文を流さずに、FX業者(DD方式)がその注文を受けている(相対取引)こと自体が、大きな問題だ。
なぜならば、それにより、両者間に利益相反関係が生じているのだから。
「投資」と称する「金融庁公認の賭博」である。
FX業者が、顧客とは逆のポジションを持つ。
95%の顧客が下手糞であることに目を付けた取引仲介の商売なのだろう。
私は、投資というのは、極力、あらゆる観点で公平公正なマーケットにおいて、行うべきものであると考えているのだが、それ以前に「利益相反」とは・・・もう、笑うしかない・・・。
本稿をお読みになった皆さんが「FX投資」をされたいのであれば、絶対に、「日本の金融庁」を信用してはいけないし、「金融庁公認(金融庁に忖度し、金融庁のお友達になった)」の国内FX業者(DD方式)で取引をしてはいけない。