2025年後半、勝ち組だけが使っている、シンプルで鋭い実戦戦略とは?
なぜ、勝てる人は「静けさ」を待つのか
「どうしてこんなに動かないんだ…」
「ブレイクしたのに、すぐ戻ってきた…」
「方向性は合っていたのに、負けた…」
2025年の相場に入ってから、そう感じたことはないだろうか。
実際、いまの為替市場は、動きが読みにくくなったと感じているトレーダーが非常に多い。
それは、初心者だけじゃない。僕のように、トレード歴が10年を超える専業勢ですら、「今の相場は難しい」と肌で感じている。
なぜなら、相場の性質そのものが、ここ数年で静かに、そして確実に変わってきているからだ。
■ 相場は「動く」ものではなくなってきている
かつての相場は、もっと素直だった。
アメリカの金利が上がればドル円は上昇し、指標が良ければ素直に買われた。テクニカルの効きも良く、教科書通りのエントリーで利益が出た。
だが、2020年代後半の今、相場は明らかに違う顔を見せている。
- 「方向はあるのに動かない」
- 「抜けたと思ったら騙しで逆戻り」
- 「週を通じてレンジのまま」
一見退屈だが、うっかり触れば刈り取られる。
まるで、動かずに人を溺れさせる「底なし沼」のような相場。
これが、今のマーケットの正体だ。

■ それでも、稼ぎ続けているトレーダーがいる
ただし、そんな中でも「変わらず利益を出し続けている人間」は確かに存在する。
僕自身、2024年は1.2億円、2025年上半期もすでに7000万円を超える実現損益を出している。
その大半は、伸びる瞬間だけを狙ったシンプルな手法で取ってきた。
彼らが何をしているのか?
特別な裏情報がある?
いや、そんなものはない。
「動かない相場では何もしない」
「動くタイミングだけを淡々と拾う」
この考え方と、それを支える技術、たったそれだけだ。
今回の記事では、その全容を解き明かしていく。
「勝てるトレード」とはどういうものか
まず最初に、明確にしておきたいことがある。
それは、勝てるトレードは「たまたま勝つ」ことではないということだ。
勝てるトレードとは、「再現性があり、長期的に安定して利益が積み上がるもの」である。
一発のラッキーパンチではなく、100回・1000回と積み重ねたときにプラスになる仕組み。
これこそが、真に勝てるトレードの定義だ。
勝てるトレードは3つの要素で構成されている
僕が実際に運用している手法の多くは、次の3つの条件が整ったときにだけエントリーするよう設計されている。
- 方向性(トレンド)がある
- その方向に動こうとするエネルギーが溜まっている
- きっかけ(トリガー)が明確に発生した瞬間
この3つが同時に揃ったとき、初めて僕はロットを張る。
逆に言えば、1つでも欠けていれば見送る。
どんなにチャンスに見えても、だ。
この見送る判断こそが、実は一番難しい。
でも、そこを乗り越えない限り、「年間で勝ち続ける」ことは絶対にできない。

精度8割のポイントだけを取れば、年間億単位も狙える
FXの面白いところは、**「エントリーしなくてもいい」**ということだ。
むしろ、勝てない人ほど、エントリー回数が多すぎる。
極論を言えば、月に3回、完璧なポイントで100pips取るだけでも、年間3600pipsになる。
1ロット(10万通貨)で36万円。10ロットなら360万円。
それが12ヶ月続けば? 言うまでもない。
実力とは、「勝てる場面を待てる力」
ここで大事なのは、「どうやってそのポイントを見極めるか」だ。
つまり、
- どのように方向性を見極め、
- どうやってエネルギーの蓄積を捉え、
- どの引き金で入るか
これを明確にしたロジックこそが、次章で紹介する「トレンド×ボラティリティ」のロジックである。
トレンドとボラティリティの正体を知る
ここからは、戦術に入る前に、そもそもトレンドとボラティリティとは何か?**という話を、少し掘り下げておこう。
これを曖昧にしたままだと、手法だけ真似しても意味がないからだ。
■ トレンドは「方向性」ではなく「優位性」
多くの人が、トレンド=方向性と理解している。
「移動平均線より上なら上昇トレンド」
「高値・安値を切り上げていれば上昇トレンド」
もちろん、表面的には正しい。
でも、トレンドがあるというのは、実は「市場に片側の優位性がある状態」**という意味だ。
- 売り手よりも買い手の力が強い
- ファンダメンタルズ的に上に行きやすい環境がある
- オーダー状況が、片方に傾いている
この「バランスの崩れ」が、トレンドの本質だ。
ただの見た目の上昇ではない。
■ ボラティリティは「変動」ではなく「緊張感」
ボラティリティというと、多くの人は「値動きが大きいこと」をイメージする。
だが、僕は違う見方をしている。
ボラティリティとは、相場にどれだけの緊張があるかを測る指標だと思っている。
- ATRが低い → みんな様子見している
- ATRが高い → 一気に動き始めた
つまり、ATRの低下は「今は静か。でも何かが起こる前兆」なんだ。
僕が静けさの中に潜む爆発を好んで狙う理由は、ここにある。
■ トレンド × ボラティリティ = 爆発力
この2つが掛け合わさったとき、どうなるか?
それは、**「方向性が明確で、しかも動き出す準備が整っている状態」**になる。
ここに、トリガー(=直近高値・安値のブレイク)が入ることで、相場が一気に加速する瞬間が生まれる。
この「トレンド × ボラティリティ × トリガー」の3点セットが、僕が日々狙っているエントリーポイントだ。

ケンタ式「トレンド×ボラティリティ×ブレイク」完全ロジック解説
ではここから、実際のエントリーロジックを具体的に解説していく。
複雑なテクニカルは一切使わない。使うのは、EMA・ATR・水平線の3つだけ。
つまり、チャートが見られれば誰でも再現可能なシンプルなロジックだ。
使用ツールと時間軸
- チャート:TradingView または MT4/MT5
- 時間軸:1時間足(H1)推奨(相場によっては4Hも可)
- インジケーター:
- EMA200(200期間の指数平滑移動平均線)
- ATR14(14期間のアベレージ・トゥルー・レンジ)
価格がEMA200の上(または下)にあること
これは、トレンドの方向性を明確にするためだ。
EMA200より上にあれば、上昇トレンドと判断する。逆も然り。
ポイントは、「EMA200が横ばい〜やや傾いている」場面ではノートレードとすること。
トレンドが出ていない相場では、伸びてもすぐ戻されるからだ。
ATR14が過去20本で最も低い水準にあること
ATR14は「価格の平均的な変動幅」を示す。
これが沈んでいる=ボラティリティが収縮している状態。
要は、相場が縮こまってエネルギーを貯めている。
EMAが示すトレンドがあるにもかかわらず、ATRが小さいというのは、**「上(または下)に行きたいけど、まだ動けていない」**状態。
この抑圧されたタイミングこそ、ブレイク時の爆発力が最も高い。
その状態で、直近の高値または安値をブレイク
ここがトリガーだ。
ロジック的には以下のように定義する:
- 過去20本のローソク足の中で最も明確なレジスタンス or サポートラインを引く
- そこをローソク実体で明確に抜けた足の次足でエントリー
これにより、「だまし」をある程度回避しつつ、実際に市場が動き出した瞬間に乗ることができる。
エントリーと利確・損切り
- エントリー: ブレイクの次足の始値 or 成行
- 利確(TP): エントリー足のATRの1.5〜2倍(裁量で調整)
- 損切り(SL): 直近レンジの中央 or ブレイク前の小さな押し目
重要なのは、「含み損が極めて小さい位置で乗る」こと。
この手法は「乗った瞬間に伸びる」ことが前提なので、伸びなければすぐ切ってよい。
実戦チャートで読む「動き出す前の静けさ」
ここからは、実際のチャートを使って、どうこのロジックが機能するのかを見ていこう。
■ ケース①:2025年6月27日 ドル円(H1)

- 価格はEMA200の上をキープし続け、明らかな上昇基調
- ATR14が1週間で最も低い水準に落ち込んでいた
- 146.20円に水平線。何度か止められていたレジスタンス
- 15:00、実体陽線で146.20を明確に上抜け
➡ 僕はこの瞬間、146.25で成行ロング
ATRから判断したTPは+60pips、SLは−15pips
結果、約45分で一気に到達
このトレードは「負ける要素がなかった」と言い切れる。
なぜなら、方向・エネルギー・引き金の3つがすべて揃っていたからだ。
■ ケース②:2025年5月14日 ユーロドル(H1)

- EMA200の下で推移、下降トレンド継続中
- ATRが縮小、ボラが沈静化
- 1.0775で何度も止められていたサポートラインを割る
- 実体で抜けたあと、次足で売りエントリー
➡ 1.0772でエントリー → 1.0710まで一気に下落(+62pips)
このときも、ATRは明確に底を打ってから上昇へ転じており、
「爆発準備OK」のサインが揃っていた。
「勝てる人」はこう考えている
ロジックを知っても勝てない人が多いのは、マインドセットがズレているからだ。
ここでは、僕自身が10年かけて築いてきた「勝ち残る思考の型」を共有しておこう。
チャンスは「来るもの」ではなく「待つもの」
「今、動いてるからエントリーしようかな」
この思考こそが、トレーダーの最大の罠。
勝ち続けている人は、動き始める前に、すでに準備を終えている。
逆に言えば、「今動いたから乗る」では、もう遅い。
相場においては、準備のない決断は、ほぼ必ず裏目に出る。
待てる人が勝つ
このロジックを使っていれば、1日にチャンスが来ないことも珍しくない。
でも、それでいい。
むしろ「今日は何もない」と判断できること自体が、トレーダーとしての成熟の証だ。
勝っている人たちは、毎日トレードしていない。
むしろ「週に1〜2回しか入らない」という人も多い。
その分、張るときは張る。
このメリハリが、月ベースでの安定をもたらす。

EA(自動売買)と裁量をどう融合させるか?
ここまで読んで、「このロジックは自動売買にも使えそうだ」と思った方もいるかもしれない。
その直感は正しい。実際に、僕はこの手法をベースにしたEAを数本運用している。
ただし、ここで重要なのは、「すべてを自動化すればいい」という考え方には落とし穴があるということだ。
EAで仕掛けるべき場面
EAに向いているのは、**「条件が数値化でき、曖昧さがない場面」**だ。
今回のロジックは、以下のように完全に数式に落とし込める。
- EMA200とローソクの位置関係
- ATR14の数値(過去20本の最小値との比較)
- ブレイクの判定(直近20本の最高値or最安値との乖離)
この部分をEAに任せれば、人間のエゴや迷いが入らない純粋なロジック通りのトレードが可能になる。
裁量で補完すべき場面
一方で、EAでは判断が難しい場面もある。たとえば:
- 指標発表5分前など、明らかに荒れる前兆がある時間帯
- 週末・月末・祝日前後など、出来高が不安定な時間帯
- 大きな三角持ち合いやチャネル形成中など、テクニカルが複雑に重なっている場面
こうした局面では、「トレンドとボラは揃っているけれど、直感的にやめておいたほうがいい」という裁量的な判断が必要になる。
つまり理想は、
EAで条件検出 → 裁量で最終判断 → 手動エントリー or 半自動
というハイブリッド運用だ。
僕が使っている運用スタイル(実例)
- 常時バックグラウンドでEAを稼働(条件アラート付き)
- 条件が揃ったとき、スマホで通知が届くように設定
- 通知が来たら、チャートを確認し、5〜10秒でエントリー判断
- 明らかに「アリ」なら成行。微妙ならスルー。指標前ならパス。
この運用で、手動よりも判断疲れが少なくなり、なおかつ損益も安定した。
裁量と機械、どちらが上ではなく、お互いの弱点を補う関係であるべきだ。
勝てない人の典型パターンと、そこから抜け出す方法
これまで多くのトレーダーを見てきた中で、勝てない人に共通している思考と行動がある。
以下に、最も多かった「7つの負けパターン」と、その改善法をまとめておく。
トレード回数が多すぎる
「今日はエントリーなし」で終えられる自制心を持つこと
ロジックを途中で変える
最低50回は同じルールで回してから判断する
自分ルールに「例外」を持ち込む
ロジックは例外のないルールだけで構築すべき
ATRやEMAの意味を理解せず使っている
数値の背景(なぜ効くのか)を必ず理解する
負けが続くと、ロットを下げてしまう(=逆マーチン)
勝てる場面こそロットを張る勇気を持つ
トレードの記録を取っていない
エントリーの理由、TP/SLの根拠を残すクセを
TwitterやSNSに感情を左右される
情報は絞り、自分のトレード環境を静かに保つ

この手法が「効かないとき」の見抜き方
どんなロジックにも、「効かないタイミング」が存在する。
今回のトレンド×ボラティリティ×ブレイク戦略も例外ではない。
僕自身、このロジックを何百回と使ってきた中で、「これは使わない方がいい」と判断している条件をいくつか共有しておく。
ATRが異常に低すぎる
ATRが極端に下がりすぎると、ボラティリティがほぼ「凪」状態になる。
このときは、いくらブレイクしても続かない。
→ 解決策:直近20本の平均ATRと比較して、30%以上乖離していたら見送り
大陽線・大陰線でブレイクしてしまう
ブレイク時に一気に伸びすぎると、次の足で入る頃には出涸らしになっている。
→ 解決策:エントリー前足がATRの2倍以上の実体幅だったら見送る
上位足(4H・日足)がレンジ中
たとえ1Hで条件が揃っていても、上位足が横ばいなら、すぐ戻される確率が高い。
→ 解決策:日足 or 4Hで方向性があることを必ず確認
【最後に】握りの勝ち組に共通する、たったひとつの覚悟
これまで、ロジックの仕組み・条件・実例・心理・運用法まで余すところなく書いてきた。
でも、もし1つだけ最後に伝えられるなら、こう言いたい。
「勝つ覚悟」があるかどうかが、最後の分かれ道だ
「覚悟」とは、我慢でも根性でもない。
それは、「自分が信じたルールに従い続ける力」のことだ。
- 一時的に負けても、ルールを信じ続けられるか
- 他人が儲けている話を聞いても、自分の型を崩さずいられるか
- 何もエントリーしない日でも、不安にならずにいられるか
こうした「心の軸」がある人間だけが、トレードで勝ち残る。
これは10年以上の現場で、何百人ものトレーダーを見てきた実感だ。

まとめ
- 勝てるトレードとは、「方向性」「エネルギー」「トリガー」が揃った瞬間にだけ仕掛けること
- EMA×ATR×水平線というシンプルな構造で、「伸びる瞬間」を狙える
- EA化にも裁量にも応用可能
- 本当に勝つ人は、「待てる人」「淡々とやる人」「軸を持っている人」