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FXで「負ける人」の真逆をやっても勝てない理由|数字と実体験から見えた本当の分岐点

A professional forex trader analyzing a candlestick chart, illustrating why doing the opposite of losing traders does not guarantee success in forex.

FXで勝ちたいと本気で考えたとき、多くの人が一度はこんな発想に行き着く。

負けている人の逆をやれば、自分は勝てるのではないか

という考えだ。

SNSを開けば、退場報告や嘆きはいくらでも流れてくる。

損切りできなかった。
ナンピンして焼かれた。
指標で突っ込んでやられた。

それらを見ていると、こう思えてくる。
同じことをしなければいいだけではないか、と。

僕自身、FXを始めてしばらくは、まさにその発想でトレードしていた時期がある。

負けている人がやりがちな行動を洗い出し、それを避ける。
あるいは、真逆を意識してポジションを取る。

一見すると、かなり理性的だ。

感情に流されていないようにも見える。
実際、その瞬間だけ切り取れば、正しい行動も多かった。

それでも、成績は安定しなかった。
月単位で見れば、増えたり減ったりを繰り返す。
大きく勝つこともあるが、なぜか残らない。

この違和感は、プロップ・ディーラーとして他人のトレードを見る立場になってから、さらに強くなった。
負ける人たちは、確かに似た行動をしている。
だが、勝っている人たちは、単純にその逆をやっているわけではなかった。

ここで一度、立ち止まる必要がある。

FXで負ける人の真逆をすれば、本当に勝てるのか。
もしそうなら、世の中に勝てないトレーダーは、ここまで多くないはずだ。

この記事では、その素朴だが危険な発想について掘り下げていく。
なぜ逆をやるだけでは足りないのか。
なぜ一見正しそうな行動が、長期では結果につながらないのか。

FXを始めたばかりのトレーダーだけでなく、経験者にも読んでほしい。

デモ口座も卒業した。
損切りという言葉も知っている。
それでも、気づけば口座残高は横ばい、あるいは微減。

そんな停滞期にいる人に向けて書いている。

派手な必勝法は書いていない。
だが、トレードの見方そのものが少し変わる話をする。

なぜFXで負ける人の行動が、驚くほど似て見えるのか。
そこから話を進めていく。

目次

なぜFXで負ける人の行動は、ここまで似て見えるのか

FXで負けている人のトレードは、なぜここまで似て見えるのか。
これは感覚論ではなく、僕自身が自分のトレードと他人のトレードを長期間見続けてきた中で、何度も確認してきた事実だ。

僕がプロップ・ディーラーとして在籍していた頃、為替市場は量的緩和の影響が色濃く残る局面で、ドル円は100円台後半から120円台にかけて推移していた。
今ほどボラティリティは高くなかったが、トレンドは比較的出やすく、方向感を読みやすい相場環境だった。

そのデスクには、常時10人前後のトレーダーが並んでいた。
経験年数もバックグラウンドもばらばらだったが、負け始める人のトレードには、驚くほど共通点があった。

実際に繰り返されていた負け方の具体例

具体的な数字で話す。
ある月、ドル円が緩やかな上昇基調にあった局面では、1日の平均値幅は70pips前後だった。

その環境で負けていたトレーダーの多くは、押し目を待たずに高値圏でロングを入れていた。
トレンドが続いているという事実だけを見て、価格の位置を軽視していた。

その後、20pipsから30pipsほどの調整が入ると含み損を抱える。
だが、その時点では切れない。

直前までの上昇が頭に残っているため、

もう一度上がるはずだ
ここで切るのはもったいない

という判断が優先される。

結果として、含み損は50pips、60pipsと膨らみ、耐えきれずに損切りする。
その直後、相場は再び上昇し、今度は乗り遅れたくないという感情が勝って、先ほどよりも悪いレートで再度ロングを入れる。

この一連の流れで、1トレードあたりの実質的なリスクは当初想定の2倍以上になり、月単位で見るとマイナス200pipsから300pips程度の損失を積み上げていった。

これは特定の誰かの話ではない。
何人ものトレーダーが、ほぼ同じ負け方を繰り返していた。

行動が似る原因は、思考の位置が同じだからだ

ここで重要なのは、彼らが同じ手法を使っていたわけではないという点だ。
テクニカルも時間足もロット管理も、それぞれ違っていた。

それでも結果が似るのは、市場の見方が似ていたからだ。
彼らは相場を、上がるか下がるか、という二択で見ていた。

今の価格が、どの時間軸のどの位置にあるのか。
自分が想定しているシナリオの中で、今はどの段階なのか。
そこが曖昧なまま、目先の値動きだけで判断していた。

だから、含み損は戻る前提で耐え、含み益は消える前に確定する。
これは性格の問題ではなく、相場を見る視点の問題だ。

負ける人の逆をやっても、結果が変わらなかった理由

僕自身も、まったく同じことをやっていた。
大学生の頃、資金56万円を元にFXをやっていた時期がある。

当時は短期売買が中心で、月に100回以上トレードしていた。
負けが続き始めたときに考えたのが、負けている人の逆をやろう、という発想だった。

損切りを早くする。
エントリー回数を減らす。
指標発表は避ける。

実際にその通り行動を修正した。
だが、月単位で見ると、マイナスが小さくなっただけで、プラスにはならなかった。

行動は変えたが、相場の見方が変わっていなかったからだ。
相場を、当たるか外れるか、という枠組みで見ている限り、判断は形を変えてブレ続ける。

勝っている人が見ていたのは、結果ではなく前提だった

一方で、安定して勝っていたトレーダーたちは違った。
彼らが重視していたのは、エントリーの巧さや損切りの速さではない。

自分の想定が、今の値動きによって崩れたかどうか。
それだけを見ていた。

想定が崩れたら切る。
崩れていなければ、含み損でも持つ。
そこに、負ける人ならどうするか、という視点はなかった。

この違いに気づいたとき、僕はようやく理解した。
負ける人の行動が似ているのは、同じ場所から相場を見ているからだ。

この話で伝えていきたいのは、「正しい行動」じゃない。

この話には明確な価値がある。
多くのFX記事は、行動の話で終わる。

損切りしろ。
待て。
ルールを守れ。

確かに正しい。間違っていない。
でも、それだけでは結果は変わらない。

相場の見方を変えない限り、行動は形を変えて同じ失敗を繰り返す。

僕が学生時代に、バイトで稼いだなけなしの56万円。

このお金を失ってから気づくまでにかかった時間を、少しでも短縮できる。
それが、この記事を通じて伝えたい価値だ。

次は、正しそうな行動を積み重ねているのに、なぜ結果が出ないトレーダーが量産されるのか、その仕組みをさらに掘り下げていく。

正しそうな行動を積み重ねても、なぜFXでは勝てないのか

FXで勝てない人の多くは、明らかに間違ったことをしているわけではない。
むしろ、一般的には正しいとされる行動を、かなり真面目に守っている。

損切りは入れている。
無茶なロットは張らない。
指標前後は触らない。
エントリー根拠も一応説明できる。

それでも、月単位で見ると口座は増えない。
この状態が一番厄介なのは、自分が間違っているという自覚を持ちにくい点にある。

僕が実際にハマった、正解行動の罠

僕自身、プロップ・ディーラーになる前後で、この罠に深くハマった時期がある。
当時の僕は、勝率よりもルール遵守を最優先していた。

1トレードあたりの損失は資金の1%以内に抑え、損切り幅は常に固定し、トレード回数も1日多くて3回までと決めていた。
数字だけを見れば、リスク管理はかなり優等生だったと思う。

実際、月間の最大ドローダウンも小さく抑えられていた。
だが、結果はついてこなかった。

月の損益は、プラス2%からマイナス3%の範囲を行き来するだけで、右肩上がりにはならなかった。

当時のドル円は、明確なレンジ相場に入っていた。
高値と安値は意識されるが、ブレイクしても続かない。
値幅はあるが、方向は出にくい相場環境だった。

この環境で僕がやっていたのは、ブレイクを待ってから入るという、一見すると正しそうな行動だった。

結果として、ブレイクに見える動きでエントリーし、すぐに戻されて損切りするという展開を何度も繰り返した。
再度ブレイクを待ち、またダマシに引っかかって切る。
ルールは守っているが、資金は増えない。

行動が正しくても、前提がズレていれば損になる

ここで重要なのは、損切りが悪いわけではないという点だ。
問題は、どんな相場でも同じ正解行動を当てはめていたことにある。

レンジ相場でブレイク狙いを続ければ、勝率が下がるのは当然だ。
これは精神論ではなく、統計の話になる。

後から当時のトレードを検証すると、エントリー後に一時的に10pips以上逆行する確率は6割を超えていた。
その時点で機械的に切るルールを採用していれば、どうやってもトータルでは残らない。

つまり、行動そのものが正しく見えても、前提となる相場認識がズレていれば、結果は必ず歪む。

勝っている人は、行動よりも先に環境を選んでいる

プロップ・ディーラーとして安定して勝っていた人たちは、エントリーの前に必ず環境の判断をしていた。
今日はこの通貨を触る日なのか。
今はこの戦略が機能する時間帯なのか。

そこを外した日は、そもそもトレードしない。
無理にルールを当てはめることもしない。

東京時間はほとんど触らない。
ロンドン序盤だけを見る。
重要指標が近い日は見送る。

こうした判断はテクニカルとは別次元だが、月間成績への影響は圧倒的に大きかった。

実際、同じルールと同じロットでも、触る日と触らない日を分けるだけで、月間損益が大きく変わるケースを何度も見てきた。

このズレに気づけるかどうかが、分岐点になる

正しそうな行動を積み重ねているのに勝てない人は、努力が足りないわけではない。
センスがないわけでもない。

ただ、行動の正しさだけで相場を見てしまっている。

FXは、正しい行動を取った人が勝つゲームではない。
相場環境に合った行動を取った人が、結果として残るゲームだ。

この視点を持てるかどうかで、同じルールでも結果は大きく変わる。

次は、勝っている人がどの段階で今日はやらないと判断しているのか、その基準をさらに具体的に掘り下げていく。

トレードしない判断が、最も大きなリターンを生んだ話

FXで勝てるようになった転機を一つ挙げるなら、エントリー精度が上がったことでも、テクニカルが洗練されたことでもない。
最も大きかったのは、トレードしない日を意識的に増やしたことだった。

これは精神論ではない。
数字で見て、はっきりと結果が変わった。

トレード回数を減らしたとき、何が起きたか

プロップ・ディーラーとして本格的に資金を任されるようになった初期、僕のトレード回数は月におおよそ80回から100回だった。
通貨ペアは主にドル円とユーロドルで、時間帯はロンドン時間からニューヨーク序盤が中心だった。

当時の月間成績は、良い月でプラス4%前後、悪い月でマイナス5%前後という水準で、平均するとほぼ横ばいだった。

そこで最初に手を付けたのは、手法の変更ではなく、トレードする日そのものを減らすことだった。

明確なトレンドが出ていない日
前日比の値幅が極端に小さい日
重要指標を挟んで方向感が定まらない日

こうした日は、チャートは確認するがポジションは持たないと決めた。

その結果、月間のトレード回数は100回前後から40回前後まで減った。

環境を選んだだけで、損益はどう変わったか

トレード回数を減らした最初の月は、不安の方が大きかった。
回数を減らせばチャンスも減り、収益も落ちるのではないかと考えるのが自然だからだ。

だが、結果は逆だった。

トレード回数が約半分になったにもかかわらず、月間損益はプラス6%近くまで伸びた。
さらに大きかったのは、最大ドローダウンが明確に縮小したことだった。

それまでの月間最大ドローダウンは平均してマイナス6%前後だったが、この月以降はマイナス2%から3%程度に収まるようになった。

勝率が劇的に上がったわけではない。
1トレードあたりの利益幅が大きく変わったわけでもない。

変わったのは、負けやすい環境でトレードしなくなったことだけだった。

勝ちトレードより、負けトレードが減った意味

このとき、数字を通してはっきり理解できたことがある。
FXでは、勝ちトレードを増やすよりも、負けトレードを減らす方が成績への影響は圧倒的に大きい。

それまでの僕は、勝てる場面を探す意識で相場を見ていた。
だが、この段階からは、負けやすい場面を避ける視点に切り替わった。

ロンドン時間前の動きが乏しい日
前日高値と安値の間で価格が収まっている日
短期足と中期足の方向が噛み合っていない日

こうした日は、形が良く見えても結果的に負ける確率が高いことが、過去のトレードデータから明確に出ていた。

なぜ多くの人は、やらない判断ができないのか

この話をすると、分かっていると言われることが多い。
だが、分かっていてもできない人がほとんどだ。

理由は単純で、トレードしない時間を何もしていない時間だと錯覚してしまうからだ。

だが実際には、やらないという判断こそが、最も高度な意思決定になる。
僕自身、トレード回数を減らしたことで年間ベースの損益が安定し、結果的に収益水準も一段上がった。

これは才能の話ではない。
環境を選び、数字で判断した結果だ。

「やらない判断」に慣れてきたら、無理に毎日トレードすることはなくなる。
負けが続いている理由を、手法や才能のせいにしなくて済む。

環境を選ぶという発想を持つだけで、多くの無駄な損失は最初から防げる。
僕が何年もかけて実損を出しながら身につけた考え方を、この記事ではそのまま共有している。

ここからは、どんな環境をやる日とやらない日に分けているのか、その判断基準を具体的な数字と条件でさらに掘り下げていく。

やる日と、やらない日を分ける基準はどこにあるのか

トレードしない判断が重要だと言うと、多くの人は結局は感覚の話ではないかと考える。
調子が悪いから休むだけなのではないか、という受け取り方をされることも多い。

だが実際には、少なくとも僕の中で、やるかやらないかの判断に気分が入り込む余地はない。
基準はすべて数字と、過去の結果だけだ。

値幅が出ていない日は、最初から期待値が低い

まず最も分かりやすい判断材料が、前日の値幅だ。
僕は前日の高値と安値の差が一定水準に満たない日は、基本的にトレードを見送る。

具体的には、ドル円で前日の値幅が50pips未満の日だ。

この条件に当てはまる日は、ロンドン時間に入っても動きが鈍く、形だけのブレイクが出やすい。
勝率が4割台前半まで落ち、平均損益も明確にマイナスになっていた。

一方で、前日の値幅が70pips以上あった日は勝率が5割を超え、リスクリワードも安定しやすかった。

感覚ではない。
数字が、その日をやらない理由をはっきり示している。

時間帯が違うだけで、同じ形でも結果は変わる

次に重視しているのが時間帯だ。
これはプロップ・ディーラー時代に、何度も痛感させられたポイントでもある。

同じチャート形状でも、東京時間で出た動きとロンドン序盤で出た動きでは、その後の結果がまったく違っていた。
僕の記録では、東京時間のブレイク狙いは勝率が4割を切り、ロンドン序盤に限定した場合は5割後半まで上がっていた。

この差は無視できるものではない。
それでも以前の僕は、時間帯を理由にエントリーを見送る判断ができなかった。

動いているように見える。
チャンスに見える。

その感覚に引っ張られていたが、数字を並べてみると、その時間帯はそもそも勝ちにくい場所だった。

指標前後は、利益が残りにくい構造になっている

もう一つ、明確に避けるようになったのが重要指標の前後だ。
雇用統計やCPIといった指標の直前や直後は、一見すると値幅が出やすく効率が良さそうに見える。

だが実際に記録を取ると、この時間帯のトレードは勝ち負けの振れ幅が大きく、月単位で見ると利益がほとんど残っていなかった。
一時的に大きく勝つことはあっても、その勝ち方を翌月も再現できたケースはほぼなかった。

この事実を数字で突きつけられてから、指標前後は触らないという判断が、ようやく迷いなくできるようになった。

やらない日を決めると、迷いそのものが消える

こうした基準を一つずつ積み重ねていくと、今日はやるべきかどうかという迷いが、相場を見る前にほぼ消える。
以前は、入るか見送るかで悩む時間が長く、その迷い自体が判断を鈍らせていた。

だが今は、条件に合っていなければ、どれだけ形が良く見えても検討対象にすら入らない。
結果として無駄なエントリーが減り、負けたトレードの内容も明確になった。

負けた理由が判断ミスなのか、環境の読み違いなのかを切り分けられるようになった。
これはトレード技術が上がったというより、考える負荷が下がったことによる変化だ。

判断基準を持つと、相場との距離感が変わる

やる日とやらない日を分けられるようになると、相場との向き合い方そのものが変わる。

毎日勝たなくていい。
毎日エントリーしなくていい。

そう腹の底から思えるようになると、一回一回のトレードに余計な感情が乗らなくなる。
この感覚は、数字と記録を積み重ねた先でしか得られない。

そして、この距離感を持てるようになるかどうかで、FXとの付き合い方は大きく変わる。
次は、こうした判断基準をどう作り、どうやって自分のルールとして定着させていくのか、そのプロセスを実例ベースでさらに掘り下げていく。

判断基準は、どうやって自分のルールになったのか

やる日とやらない日を分けると言うと、簡単そうに聞こえる。
だが実際には、この判断を安定して続けられる人は多くない。

理由ははっきりしている。

基準が曖昧なままだからだ。

なんとなく今日は動きそうだ。
なんとなく今日はやめておこう。

この状態では、結局どこかで判断がブレる。

僕自身も、最初から今の判断基準を持っていたわけではない。
むしろ、かなり遠回りをしてきた。

最初は、トレード日記すら役に立たなかった

専業に近づくにつれて、トレードの記録は毎日つけていた。
エントリー理由や決済理由、そのときの感情まで細かく残していた。

いわゆる王道のトレード日記だ。

だが正直に言うと、これだけではほとんど改善しなかった。
後から読み返しても、次にどう活かせばいいのかが見えなかったからだ。

負けた理由として並ぶのは、早かった、遅かった、我慢できなかったという言葉ばかりだった。
それらは事実ではあるが、次の判断を変える材料にはならなかった。

数値として残したのは、トレードの中身ではなかった

転機になったのは、記録する項目を大きく変えたことだ。
トレードの良し悪しではなく、環境だけを切り出して記録するようにした。

具体的に残したのは、

前日の値幅

エントリーした時間帯

その日の高値安値までの距離

エントリー後に最初に何pips逆行したか

という事実。

この段階では、勝ち負けはあまり見ていない。

まずは、事実だけを淡々と集めた。

数百トレードを並べて、ようやく見えた差

この記録を300トレードほど溜めたところで、初めて集計した。
すると、はっきりとした差が数字として現れた。

前日の値幅が50pips未満の日は、トータルで明確にマイナスだった。
エントリー後に20pips以上逆行する確率も6割を超えていた。

一方で、前日の値幅が70pips以上あり、ロンドン序盤に限定したトレードではトータルでプラスが残っていた。
勝率だけでなく、負けたときの損失幅も明らかに小さかった。

この数字を見たとき、自分が下手なのではなく、戦っている場所が悪かったのだと初めて理解できた。

判断基準は、足すことでなく削ることで形になった

ここから僕がやったのは、条件を増やすことではない。
むしろ逆で、条件を削っていく作業だった。

前日の値幅、時間帯、直近の高値安値との位置関係。
最初は、この3つだけに絞った。

それ以外の情報は、意識的に見ないようにした。
結果として、トレード回数はさらに減った。

月に30回前後まで落ちた時期もある。
だがその分、やらない判断が圧倒的に速くなった。

迷いながら見送るのではなく、条件に合わないから対象外だと切り捨てられるようになった。

この工程を経ないと、基準は定着しない

よく、自分のルールを作ろうと言われる。
だが最初から完成形のルールを作ろうとすると、必ずどこかで破綻する。

数字で裏付けされていない基準は、負けが続いた瞬間に揺らぐ。
だから僕は、記録する、並べる、削るという工程を繰り返してきた。

派手さはない。
だが、この地味な積み重ねを通過した基準だけが、実戦で機能する。

次は、この判断基準をどうやって崩れない形で運用しているのか。
負けが続いたときに、何を変えて何を変えないのか。

そこを、さらに具体的に書いていく。

ルールは、どうすれば崩れずに運用できるのか

判断基準を作れたとしても、それだけでFXが安定するわけではない。
本当に難しいのは、その基準を使い続けることだ。

一時的に勝てる人は多い。
だが、負けが続いた瞬間にルールを崩し、元の場所に戻ってしまう人も同じくらい多い。
僕自身、この局面で何度も失敗してきた。

ルールが最も壊れやすいタイミングは、負けた直後にある

数字で基準を作り、やる日とやらない日を分けられるようになっても、最大の落とし穴は残る。
それが、連敗した直後だ。

例えば、2連敗や3連敗をしたあと。
それまで守っていた条件を、ほんの少しだけ緩めたくなる。

今日はたまたま噛み合わなかっただけではないか。
もう少し早く入れば取り返せるのではないか。

こうした考えが頭に浮かんだ瞬間が、一番危ない。

過去のトレード履歴を振り返ると、月間損失が大きく膨らんだ月は、ほぼ例外なくこの流れを踏んでいた。
3連敗後に条件外のトレードを入れ、その1回で月間損失の3割以上を失ったケースも実際にある。

僕が作ったのは、勝つためのルールではなかった

この失敗を繰り返す中で、発想を切り替えた。
勝つためのルールを磨くのではなく、負けたときにどう振る舞うかを先に決めることにした。

具体的には、次のような基準を設けている。

連続2敗した日は、新規エントリーをしない。
連続3敗した場合は、その週のロットを半分に落とす。
月初からマイナス4%に達した時点で、その月は攻めない。

これらの数字は感覚で決めたものではない。
過去の記録を見て、ここを超えると判断が荒れ始める水準を基準にしている。

ルールは、意志で守ろうとすると必ず破綻する

ルールを守ろうと強く意識しても、長くは続かない。
意志の力には限界がある。

だから僕は、守るかどうかを考えなくて済む形に寄せている。
条件に合わない日は、そもそも注文画面を開かない。
ロットを下げる局面では、あらかじめ数量を固定しておく。

こうすることで、判断そのものを減らしている。
結果として、ルールを破る回数自体が大きく減った。

崩れなかった年の数字を見返して分かったこと

こうした運用に切り替えてから、年間ベースの成績は明確に安定した。
ある年を例にすると、年間トレード回数はおよそ400回。
勝率は6割には届かない水準だった。

それでも、年間損益は安定してプラスを維持できた。
最大ドローダウンも、年間でマイナス8%程度に収まっている。

特別な手法を使ったわけではない。
負けやすい場面で戦わず、崩れそうな局面で自分を止めただけだ。

負ける人の真逆をやっても、勝てない理由

ここで、この記事のテーマに立ち返る。

FXで負ける人の真逆をやれば、勝てるのか。
答えは、そう単純ではない。

負ける人の真逆を意識すると、どうしても行動だけに目が向く。
損切りを早くする。
我慢する。
エントリーを減らす。

それ自体は間違っていない。
だが、それだけでは足りない。

一番大きな差は、

どこで戦うか

どこで引くか

ということを、数字と経験で決め切っているかどうかにある。

勝っている人は、負ける人を基準に動いていない。
自分の判断基準と、市場環境だけを見ている。

だから、真逆をやろうとする必要すらない。

最後に伝えたいこと

FXは、正しい行動を取った人が報われる市場ではない。
多くの場合、やらなくていい場面を見極めた人が、結果として残る市場だ。

もし今、

何を直せばいいのか分からない
頑張っているのに結果が出ない

そんな状態にいるなら、やることは一つだけでいい。

負ける人の真逆を探すのをやめて、
自分が戦う必要のない日を決めること。

そこから先は、自然と見えてくる。

FXで勝つとは、誰よりも動くことではない。
余計な場所で動かず、最後まで残ることだ。

この記事が、その視点を持つきっかけになれば、それで十分だ。

あわせて読んでほしい関連記事

ここまで読み進めた人なら、「FXで負ける人の真逆をやれば勝てる」という発想が、いかに表層的かは感じ取れているはずだ。

次に必要になるのは、何を基準に判断すればいいのかということ。

ここで紹介する記事は、その視点を補える内容になっている。

なぜ僕は、よくある「売買シグナル」を疑うのか

負ける人の真逆を意識し始めると、多くの人が他人の判断に頼る方向へ進みやすい。
売買シグナルは、その代表例だ。

多くの人が過信するシグナルの「ダマし」や「この相場には手を出すべきではない」という見極めの基準を徹底的に解説する。

エントリー禁止|FXプロトレーダーが触れない相場の見極め

FX初心者が、まず身につけるべき勝ち方の順番

正しいことをしているはずなのに勝てない。
多くの場合、問題は内容ではなく順番にある。

この記事では、

何から身につけるべきか

何を後回しにすべきか

を、経験の積み重ねから整理している。

努力の方向を誤ったまま走り続けないために、一度立ち止まって読んでほしい。

素人がFXで勝つ方法|初心者でも稼げる資金管理と手法の組み方

勝率を追いかけるほど、FXで勝てなくなる理由

真逆をやるという発想は、勝率を高めれば勝てるはずだという考えと結びつきやすい。
だが実際には、勝率への執着がトレードを歪める場面は多い。

勝率が高くても資金が残らない理由。
勝率が低くても安定する人がいる理由。

数字の視点から整理しているので、本記事で触れた話を別角度から理解できる。

勝率が低くてもFXで勝ち続ける人は何を見ているのか

通貨の強弱を軸にすると、トレード判断がブレなくなる

真逆を探す思考から抜けたあとに残るのが、

「何を見て判断するのか」

という問題だ。

通貨の強弱という軸は、相場環境を整理するうえで非常に相性がいい。
感覚や気分ではなく、状況から判断するための考え方を具体的にまとめている。

通貨の強弱を制する者が為替を制す 本質を読むトレード戦略の実践知

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この記事を書いた人

慶應義塾大学経済学部卒業、FP2級、証券外務員一種、宅建士取得。証券アナリスト(CMA)、テクニカルアナリスト(CMTA)保有。 FOREX Dealing Crop.代表、株式投資家兼為替トレーダー、不動産投資家。2007年に大学入学と同時にネット証券の口座を開設し、株式投資とFXを始める。投資開始当初は、リーマンショックの渦中で信用取引の短期売買を繰り返し、アルバイトで貯めた56万円を失う「大損」を経験。家庭教師のアルバイトをしながら株式投資とFXを続け、学費を投資で稼ぐようになる。そんな投資経験を活かして大手証券会社に就職し、自社資金を運用するプロップ・ディーラーとして10年以上勤務。現在は、専業トレーダーとして、株式投資・FXでサラリーマンの平均年収の3倍以上の収益を上げつつ、不動産投資家としても活動。東京・大阪を中心にマンション投資を行う。自身の投資で得た経験と専門知識をもとに投資の難しさや面白さ、ノウハウを世に広めていきたいと考え、FOREX Dealingを立ち上げ、情報発信を行っている。

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