FXトレーダーの皆さん、こんばんは。
専業トレーダーのケンタです。
本稿では、明日・2025年7月18日(金)、米国経済指標の発表を前に相場にどんな動きになるのか、主に米ドルを軸にしたトレードプランを具体的に書いていこうと思う。
7月18日(金)のFXトレードにおいて
どの通貨で、どの時間帯に
どのような戦略を取るべきか
明日注目の指標発表は主に二つ
・21:30 米国 住宅着工件数 / 建設許可件数
・23:00 米国 ミシガン大学 消費者態度指数 (速報)
見るべきポイントは、「予想に対してどの程度のサプライズがあるか」ということと、「利下げ期待や米金利観測が変化し得るかどうか」だ。
今回の指標は「予想値がやや低め」に設定されており、少しでも良好な結果が出れば、「米景気は底堅い」との評価が広がり、ドル買いの燃料になりやすい。
さて、早速本題に移ろう。
明日 7月18日の指標は、地味でも仕掛けの起点になり得る
7月18日の指標はパッと見では地味。
だが、だからこそ油断が生まれやすい。
住宅着工と建設許可、この2つが揃って強ければ、ドル円は素直に上昇。
ただし、それだけでは終わらない。
問題は「どの程度の強さか」「直後の債券反応がどれほどか」。
この見極めができないと、天井でロングして切られる。
一方、消費者信頼感は注意が必要。
速報値がネガティブでも、意外とドルは売られにくいことがある。
理由は、金利先物がすでに織り込み済みのケースがあるからだ。
指標そのものより、織り込みとの差分に注目する。
ポイントは、どの数字に対してどの通貨ペアが過剰反応しやすいかを把握しておくこと。これができれば、明日はむしろ「美味しい日」になる。
「ズレの初動」を拾えるのは、こういう日だけだ
7月18日のように、CPIや雇用統計ほどのインパクトがない日に何を見ればいいか。
答えはひとつ、「ズレ」だ。
たとえば、住宅着工件数が強く、ドル円が上がる。
ここまでは誰でも予想できる。
だがそのとき、米10年債がなぜか無反応だったらどうか?
このタイムラグを見逃さない人間だけが勝てる。
逆に、ミシガン速報が弱くても株が上がっていれば、ドルは売られにくい。
アルゴリズムは連動しながらもズレを生む。
これは過去3年で何度も起きている事象であり、7月18日のような中規模指標でこそ再現性が高い。
だからこそ、僕はこういう日を狙う。値幅よりも「タイミングの妙」に勝機がある。
【市場予想を大きく上回るケース】USDJPY 上昇ブレイク狙い
21:30 米国 住宅着工件数 / 建設許可件数で予想が大きく上回る場合はどうすべきか。
この指標は、発表直後にいったん値が飛ぶ傾向がある。
その後10〜15分程度の調整を挟んで、22:00前後から本格的な上昇波が発生することが多い。
FXトレード推奨条件
- 21:30に住宅関連が強く出た場合
- 21:35〜21:45にいったん押し目を形成
- 21:50以降に短期足(5分/15分)で直近高値を更新するタイミングでロングエントリー
利確・損切り
- 利確目安:121.30〜121.50(直近レジスタンス)
- 損切り:エントリー足の安値 -5pips で逆指値を設定(指標直後の高ボラに備え)
ひとこと
- 東京仲値(9:55)で日銀介入観測がある日を除き、仲値通過後から徐々に買い支えられているかを確認。
- 米債利回り(10年)が同時に上昇していれば信頼性はさらに高い。
【市場予想を大きく下回るケース】EURUSD スパイク逆張り
21:30 米国 住宅着工件数 / 建設許可件数で予想が大きく下回る場合はどうすべきか。
この指標が弱ければ、米国の成長見通しへの懸念が再燃し、ドル売りが急速に広がる。
特に欧州通貨はリスク感応度が高いため、EURUSDに注目する。
FXトレード推奨条件
- 21:30直後にドル売りスパイク(EURUSD急上昇)発生
- 21:32〜21:35に過剰反応による一時的な利食い調整
- 21:40以降、短期足で安値を切り上げたことを確認後にロングエントリー
利確・損切り
- 利確目安:1.0880〜1.0905
- 損切り:1.0840割れで撤退
ひとこと
- EURJPYが同時に上昇していれば、リスクオンの地合いであるため、安心してトレンド継続に乗りやすい。
- NYオープン(22:30)で流れが加速する可能性もあるため、半分は保有、残りはトレイリングストップで追うのが有効。
【数値がまちまちのケース】反応を見てから乗る「後出し型」戦略
住宅指標とミシガン指数で方向性が食い違う、もしくはどちらも微妙な数値だった場合、無理なポジションは不要。
FXトレード戦略
- アルゴが最初の5分〜10分で急反応→それを冷静に観察
- 本命は「23:00のミシガン速報」
- 速報値がインフレ期待を押し上げる内容ならドル買い再開
- 出尽くしで急反落したら「NY勢の売り」についていく逆張りもあり
ひとこと
- DXY(ドルインデックス)の5分足が22:00〜23:00でV字を描いたら要警戒
- SP500先物の値動きと連動しているかも確認。米株上昇→ドル買いとは限らない(リスクオン=ドル売りもあり)
21:30住宅指標が強く、23:00ミシガン指数が弱い場合の反転戦略
この場合、21:30の好結果で上昇していたUSDJPYやUSDCHFが、23:00を境に急反転しやすい。
FXトレード戦略
- 22:50〜22:59にかけて伸びきったドル買いを観察
- 23:00ちょうどにミシガン指数が弱ければ即座に売り転換
- 23:05〜23:15の戻りを叩く形でショートエントリー
通貨ペア候補
- USDJPY・USDCHF:米金利連動性が高く、反転幅が出やすい
- AUDUSD:23:00以降にドル主導で急騰するなら短期ロングも可能
ひとこと
- 23:20〜23:30にSP500が急落したらダブルシグナル(株売り+ドル売り)で確度UP
21:30住宅指標・23:00ミシガン指数がともに良好な場合
ドル高が強く継続するが、NY後半は利確とヘッジが交錯しやすいため「勢いに任せて追いかけるだけでは勝てない」時間帯。
FXトレード戦略
- 21:30→22:30で上昇トレンドを形成しているなら、23:00の指標直後の押し目(15〜20分)を待ってロング
- 23:30以降、伸びきった通貨ペア(USDJPYなど)はあえて逆張りスキャルで利確組に乗るのも有効
ひとこと
- 24:00直前の5分足でローソクが2本連続で高値を切り下げたら「利確のサイン」
- このシナリオに限り、USD強 × AUD弱 の通貨強弱に乗ってAUDUSD売りが再度有効になる場面あり
過去の同様な指標日と今回の比較から見える罠とチャンス
相場は繰り返さないが、似た動きをする。
7月18日の米住宅着工件数とミシガン大学指数をどう捉えるかは、過去の「同じ条件で市場がどう動いたか」を知っているかどうかで大きく差がつく。
ここでは2023年・2024年の「類似パターンの日」をピックアップし、今回との違いを分析。
単なる歴史の振り返りではなく、「今回はどこで勝負すべきか」まで見えるように構成している。
未来を読むには、似た過去を見抜ける目が必要だ。
【2024年12月18日】住宅着工ポジティブ、ドル円は3段階上昇
昨年12月、住宅着工件数が予想を上回った日は、発表後すぐにドル円が上昇。
だが、30分後にいったん押し目をつけ、その後に本格上昇。この「2段階目」の動きが取れたトレーダーが大きく勝った。
このときも債券利回りの反応が遅く、FX先行という特徴があった。
今の環境と似ている。
さらに、同日発表だったミシガン大学指数が弱めだったにも関わらず、ドル円は下がらなかった。
つまり、「悪い指標はスルー、良い指標は反応する相場」だった。これは、いまのドル買い地合いに酷似している。
【2023年8月16日】着工・許可が弱く、だまし下落からの巻き返し
2023年の同種パターンでは、住宅指標が悪化し、ドル円は一度下落。
しかし、その後の株価指数がプラスで始まった影響で、NY時間には全戻しどころか高値更新まであった。
このときは「東京・欧州時間の弱さ」が、かえってNYでの買い戻しの材料になった。
今回の7月18日も、東京・欧州時間で指標内容を過剰に織り込んだ動きが出れば、それが逆にNYのエントリーチャンスになる可能性がある。
【今回との比較】初動を鵜呑みにせず、織り込みのズレを狙う
今回の7月18日は、住宅関連が事前にやや弱気で織り込まれている。
つまり、少し強いだけで過剰反応する可能性が高い。
過去と比較して、以下のような点に注目しておくとよい。
- 米債の反応スピードが遅い(=為替が先行しやすい)
- 悪材料がスルーされやすい地合い(=ポジティブバイアス)
- 東京時間の反応が過剰な場合、NYで巻き戻しが起きる傾向
こうした「似た日」との共通点・相違点を見極めておけば、ただ数字を見てポジションを取るトレーダーとは、ワンランク上のトレードができる。
【7月18日】USDJPY・EURUSD・GBPUSD・EURJPYの戦略別特化ポイント
シナリオに対応した通貨別の動きやすさ・反応の差を具体的に読み解くことで、エントリーやポジション調整の精度は格段に上がる。
ここでは、7月18日(金)の米指標を起点とした【USDJPY】【EURUSD】【GBPUSD】【EURJPY】の主要4通貨ペアに絞り、それぞれのチャート特性・指標への反応性・市場の関心を踏まえて、実践向きの戦略ポイントを解説する。
USDJPY
- 21:30が好結果→121.50上抜け試す展開、ただし22:00までに押し目を作ることが多い。
- 23:00弱いなら122.00→121.40割れへ反落シナリオも。
- 日銀のYCC警戒が弱まっている間は上昇余地大。
EURUSD
- 1.0830を維持→ドル売りで1.0880〜90台への回帰を目指す流れ。
- 両指標とも強ければドル高で1.0815〜10へ反落、ここが支持となるか注視。
GBPUSD
- 英国CPIの余韻が残る週末、1.2950が重くなる展開。
- 指標でドル売りなら1.3010を試す動きも。
- ドル買いなら1.2900割れ〜1.2865(200MA)まで一気に走る可能性あり。
EURJPY
169.20超えなら170円台視野、ただしドル円が反落するなら168.50まで調整リスクも。
米指標の影響を受けつつも、円売りとユーロ圏PMIの先取り思惑で底堅い展開。
東京時間の前兆パターンに要注意
7月18日(金)は、前日(7月17日)にクロス円・ドルストレート両方で「戻り売り・押し目買い」に失敗した動きが複数確認されている。
特に東京時間でレンジを作った場合、NY時間での「逆走型フェイクアウト」が起きやすい。
ここでは、次の条件で特に注意すべきだ。
- 10:30〜11:30(東京後半)でドル円が上下に20pips以上動いてから静まる
- 欧州時間前(14:00前後)にEURUSDが前日高値に届かず横ばいになる
このような前兆が出た場合、NY時間にファンダ無視の巻き戻しが起きやすい。
当日は、Michigan速報やインフレ期待値も加わり、「出尽くし」でトレンドが巻き戻るフェーズが出る可能性がある。
ポジションが建っているなら、ロンドン時間の値動きの変化に注目。
「相場の癖」を突いた実践的リスク管理
明日、7月18日は「2本立ての指標」が時間差で出るので注意が必要だ。
ここからは、その特徴と対策を実戦向けに整理する。
指標発表直後5分の「両狩り」アルゴを想定した待機策
- 特に21:30直後と23:00直後は、上下どちらにも20pips程度振れるケースがある。
- 初動のロウソク足1本目で「高値更新→陰線終値」または「安値更新→陽線終値」となったら、その方向は疑ってかかる。
- 具体的には、1分足の終値で包み足が出た場合、カウンター方向へ5〜10分後に大きく走る傾向あり。
「2段階目の失速」を想定して建玉を分割管理
- 21:30と23:00の指標が好感され、上昇トレンドに見えても、23:45〜24:00に失速しやすいのが金曜のNY。
- よって建玉は「前半2/3、後半1/3」で利益確定を分割する。特に24:00をまたぐポジションは短期ならクローズが賢明。
- 逆指値は固定幅ではなく、直近5分足の押し目や戻りの位置に再設定すること。
「NY後半の流動性低下」による一方向ブレイクへの備え
- 23:40以降、指標の結果と関係なく伸びる時間帯がある。
- この動きに騙されないためには、DXYと米10年債利回りが連動していないときは、ブレイクはフェイクであると判断。
- エントリー済みの場合も、この時間帯だけはストップをタイトに切り替える。
【7月18日】米国指標トレード戦略の実践手順
21:30と23:00に控える米国経済指標は、どちらも相場を動かす力を持つ。
一方で、結果が一致するとは限らず、相反する内容になった場合は市場の判断が難しくなる。
ここでは「上振れ」「下振れ」「ミックス」などの展開別に、最適な通貨ペアと時間帯を選び、実務的に再現しやすい戦略として提案させていただく。
追随型か逆張りか、また選ぶべきタイミングも参考にしてほしい。
指標が市場に与える影響軸を明確にする
- 住宅関連:景気実需の健全性
- ミシガン指数:消費者心理とインフレ期待
- 両方を見て初めて、「利下げ観測」が動く。だからこそ片方だけで判断しない。
通貨別・時間帯別に戦略の軸を組み立てる
- USDJPY:21:30ロング → 23:00で反転注意
- EURUSD:21:30で逆張り急騰→22:00に崩れるパターン
- GBPUSD:23:00のドル主導でつられやすく、スキャル専用
- EURJPY:円売りが継続するなら指標関係なく上昇波が出やすい
時間帯リスクを限定し、利確戦略を固定する
- 利確タイミングは「23:30」と「24:00」の二段階で確保
- 指標から30分以上経ったら「新規建ては原則避ける」
- 上昇・下落どちらも「3本の高値/安値が切り下げたら反転の警戒」
ファンダ発表直後に「入らない」という選択
7月18日は、指標直後のスプレッド拡大と1分間の価格歪みが極端になりやすいだ。
特にUSDJPYとEURJPYは、東京時間が静かだった場合、その反動で「逆方向に10〜20pipsの誤爆」が出る可能性が高い。
このようなときは、
- 指標から1分半〜3分後に初動が崩れる方向を再確認
- 誤爆で止められたライン(例:4時間足の押し安値・戻り高値)を逆張りで見ない
「最初の1分の値動きではなく、2分後の値動きが反転するか否かを見る」ことで、フェイクブレイクを見抜くトレーダーの反応に乗れる。
米10年債とドル円の「先導者」は毎回違う。明日は「債券が後追いする日」と読む
これまでの癖を見れば、7月18日の指標直後、ドル円の初動を主導するのは「株」ではない。
「債券」でもない。おそらくは「先物オーダーの連鎖反応」で、一瞬だけ裁定歪みが生まれる。
たとえば、13:30の建設許可が予想を上回った場合、ドル円は一瞬飛ぶが、債券は動かない。
こういう「間の抜けた反応」こそが狙い目。
2024年12月の似たパターンでも、ドル円が先に動いて、米債は8分遅れて追いかけた。
そこで逆張りして焼かれた短期筋が続出した。
明日も、動きが不自然に見えた瞬間こそ、冷静に「ズレ」を拾うチャンスになる。
【STEPで学ぶ】明日の相場を読む前に押さえておきたいFX戦略記事
どんなに正確な予想でも、土台が整っていなければ崩れる。
7月18日(金)の相場を読むなら、その前に押さえるべき視点がある。
ここでは、基礎から実戦までを段階的に整理した記事を紹介する。
勢いでエントリー、焦って損切り。
指標前にこれをやれば勝負になるはずがない。
まずは「勝てない思考」を徹底排除しておこう。
上がるか下がるか。だけじゃ足りない。
どれくらい動くか、どこまで行くかも見なきゃいけない。
この2軸で考えれば、米指標の反応も冷静に拾える。
USDを買う?売る?
その前に、「誰に対して」かを見極めなければならない。
強弱が噛み合っていない通貨ペアを選ぶと、いくら読めていても勝てない。
【まとめ】7月18日は「フェーズをまたぐ戦略」が勝敗を分ける
明日の米国指標は、21:30の住宅系→23:00のミシガン→23:30以降の利確局面という3つのフェーズで構成されている。
この構成の中で、常に「今がどのフェーズか」を見誤らないことが最大のリスク管理になる。
エントリーは「方向が出てから」でも十分間に合う。
焦って飛び乗るより、出た方向と逆の動きが出たときの値幅の方が大きいのが現実だ。
また、ドルインデックスと米債利回りが連動しているかを必ず確認しよう。
「本物のドル買い/ドル売り」かを見極めてからポジションを取る癖をつけたい。
この1日をどう乗り切るかで、7月後半戦のトレード成績が大きく変わる。
冷静さと検証力を武器に、確度の高いトレードを実践していこう。
FXトレーダーの皆さん、幸運を祈る。
ありがとうございました。
ケンタ