はじめに
読者の皆さんの中には、「株式投資で、簡単かつ手軽に稼いでみたい。」などとお考えの方も、多いのではないだろうか。
そういった方にとっては、IPOの抽選に参加するのがピッタリだ。
それでは早速、IPOについて解説させていただく。
IPOは、アイ・ピー・オーと読みます。アイポではありません!
最近、投資ブームの波が来ているよな。投資を始めたばかりの方は、たしかにIPOの読み方が分からないかもしれないな・・・。
IPOの概要
IPOとは
IPOは、「Initial Public Offering」の略で、新規公開株などと訳されることが多い。
日本語での読み方は、「アイ・ピー・オー」だ。
これまで、東京証券取引所などの公開市場で取引されていなかった株式会社の株が、新規上場されれば、証券口座の資金で誰でも売買できるようになる。
その際に売り出される株式を、新規公開株式という。
たいていの証券会社において、新規公開株は、公平公正な「抽選」と、得意客を優遇する「店頭配分」に分けて売出しされる。
たいていの場合、上場日につける初値で売れば儲けられるため、IPOは大変人気がある。
なお、店頭配分は、その名の通り、店舗を構える証券会社のみで行われる。
ちなみに、2023年の新規上場社数は、概ね90~100社になるとの予想が多い。
抽選等でIPOの当選が決まったら、その抽選に当選した投資家は、新規公開株を市場評価よりも安い価格で購入できる。
IPOって、本当に稼げるの?損しない?
競合の投資家が多く抽選倍率は高いので、なかなか当選しないのだが・・・もしも当たれば、一度で大きく稼げることが多い。
具体的には、過去のデータから試算すると、上場時の初値で売れば「80%以上」の高確率で儲けられるとされている。
そして、どれくらい儲けられるかというと・・・例えば、6月30日に上場したジーデップ・アドバンス(5885)の場合、公募価格4,510円に対し、初値は10,680円。
その差額は、なんと「6,170円」となった。
ジーデップ・アドバンスの抽選で当選した投資家は、投資元本に対して136.8%もの利益が出るという計算だ。
この例のように、IPOの抽選は、宝くじを買うよりも手堅く、手軽に稼げるチャンスがある。
IPOの当選確率は?
IPOの当選確率は、概ね「1~2%」程度だといわれている。
ジャンボ宝くじ5等の当選確率と同程度だと考えると、イメージしやすいだろう。
あるいは、某保険会社の調べによると、日本国民が、1年間に交通事故に遭う確率が0.2%程度であるため、1回のIPOの抽選で当選できる確率は、その5倍~10倍だ。
IPOの「前受金」について
本章では、IPOにおける「前受金」の定義や、主要証券会社における前受金の要否などについて説明させていただく。
前受金とは
IPOの抽選に申し込む場合、たいていの証券会社では、抽選前に証券口座に新規上場株式を購入するための資金を準備する必要がある。
この事前入金すべき資金が、「前受金」だ。
つまり、一定の資金力がなければ、IPOの抽選権すら得られないという「お金持ちのゲーム」になっている。
もっとも、前受金は、抽選に外れたら全額返金されるのだが。
IPOって、お金がかかるっていう意味では、まるで国会議員選挙みたいですね!
被選挙人は、供託金とか、選挙カーの費用とか、色々かかるもんな。
主要証券会社の前受金要否
主要証券会社のIPO前受金要否をリスト化した。
ここでは、「抽選前の入金」を前受金として定義している。
証券会社名 | 前受金要否 |
野村證券 | 不要 |
岡三オンライン | 不要 |
松井証券 | 不要 |
SBIネオトレード証券 | 不要 |
SBI証券 | 必要(注) |
楽天証券 | 必要 |
SMBC日興証券 | 必要 |
大和証券 | 必要 |
マネックス証券 | 必要 |
GMOクリック証券 | 必要 |
(注)SBI証券では、抽選時点で資金拘束はされないものの、「購入資金相当額の入金(買付余力)」が必要である点に注意が必要だ。もしも、購入に必要な金額が抽選までに買付余力がなければ、抽選対象外になってしまう。
証券会社は、上記のほかにも沢山あります。それらも含めると、ほとんどの証券会社のIPOの抽選で、前受金が必要なんですよね。
前受金とか、廃止してほしいよな~。もっと、気軽に楽しみたいわ。
そうですよね~。同感です。
「前受金不要」のメリット
- 前受金不要なら、多くの場合、当選後の「購入直前」に資金を準備すれば事足りる。
- つまり、資金力とは関係なく、複数の抽選に同時申込みができる。
「前受金不要」のデメリット
- 資金力に乏しくても抽選申込みが可能であるため、競合が多い。
- つまり、当選確率が下がってしまう。
まとめ
- IPOの当選確率は、1~2%程度。
- 前受金不要であれば、少なくとも抽選時にまとまった資金が不要であり、気軽に「宝くじ感覚」で楽しめる。
- 主要証券会社の中では、野村證券、岡三オンライン証券、松井証券、SBIネオトレード証券が前受金不要。
- IPO抽選前に前受金が不要であれば、競合が多くなってしまうのは、デメリット。