イギリスがEUを離脱!EUとイギリスへの影響は?
2020年2月1日午前8時(現地時間1月31日)、イギリスがついにEUを離脱した。2016年6月に行われた国民投票から始まり、国民の意見はEU離脱をめぐって真っ二つに割れた。ところが、2019年7月のジョンソン首相の就任でその潮目が変わり、一気に離脱へ向けた動きが加速した。
それでは、今回のイギリスのEU離脱は、EU、イギリス、日本企業にどのような影響を及ぼすのかを考えてみよう。
現時点でEUのダメージは小さい
EUが抱えるリスクは、イギリスに続いて他の加盟国が立て続けにEUを離脱することだ。そのため、今回のイギリスの離脱に際して、EUはイギリスに有利な離脱条件とならないよう、イギリスと交渉した。
そのためか、イギリスに続いてEUを離脱しようとするEU加盟国は、現時点でほとんど見られない。例えば、EUとの確執が目立つポーランドでさえ、現時点でイギリスに続いてのEU離脱を明確に否定している。
イギリスは、離脱賛成派と反対派で真っ二つ
イギリスの一部である北アイルランドでは、ジョンソン首相がまとめた離脱条件に対する不満が募っている。
イギリス国内では民族意識の違いなどから、意外とEU離脱反対派の人が多いようで、イギリス国内の世論がまとまっていない以上、今後もイギリスの政治は混迷を極めることになりそうだ。
多くの日本企業は離脱を想定済み
大手企業を中心として、イギリスに進出する日本企業はイギリスが離脱することを想定して準備を進めており、特に大きな影響はないようだ。
例えば、エーザイやホンダ・トヨタ・日産といった製薬会社や自動車会社がイギリスに進出しているが、「EU離脱がプラスになることはない」としつつも、冷静に対応を進めている。