(FOMCで決定)追加利上げ見送り
米連邦準備理事会(FRB)は、2019年5月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを見送り、金融政策の現状維持を決定。会合後に公表した声明文では、「経済活動は底堅いものの、インフレ率は目標の2%を下回っている。」と指摘しており、様子見の姿勢を見せた。利上げの一時停止が長引く可能性がある。
米経済は好調を保っているが、物価上昇率が伸び悩んでいることが懸念材料だ。例えば、4月29日に発表された「3月の個人消費支出の物価指数」の伸びは、5カ月連続でFRBが目標とする年2%を下回っている。
パウエル議長は記者会見で、このような傾向は「一時的だと考えられる」と指摘しつつも、「現在、政策を動かすべき強い理由は見当たらない。」と述べた。
「個人消費支出の物価指数」に注目
まずは、個人消費支出の物価指数が、FRBが目指す「年2%」の水準をクリアするかどうかに注目したい。5月1日のパウエル議長の発言からは、「物価指数の目標達成」がなければ、政策を動かす(金利を変更する)べき動機があるとはいえないと読み取れる。
一方で、トランプ大統領は利上げを批判しており、「1%程度の利下げ」を求めている。先物市場も約6割の確率で「FRBは年内に利下げに転じる」と織り込み始めている。市場は「年内の利下げ」を織り込み始めているだけに、仮に「利上げ」となれば、市場に与える影響は大きくなる。
FOMC前後の為替の動き
USD/JPY(ドル円) 15分足
2019年5月1日の21:30頃から急上昇が始まった。111.116から111.550まで、為替レートが垂直に急上昇した後、高値111.637を付けている。垂直部分だけでも、約45分間で52pipsの急上昇だ。
FOMCの発表5月2日の午前3:00なので、何らかの情報漏れがあった可能性がある。FOMCなどの大型イベント前後には予測困難な動きをすることが多く、口座破綻をする人が後を絶たないので、絶対に予めポジションを手仕舞いしておこう。
EUR/USD(ユーロドル) 15分足
2019年5月1日の21:30頃から下落がスタート。わずか45分程度で、1.12579から1.12065まで下落。51pipsの下落だ。EUR/USD(ユーロドル)は、USD/JPY(ドル円)とほぼ同じ値幅(pips)が動いた。