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就職氷河期対策に関する経団連の提言
令和元年9月17日に経団連は、政府が法改正を目指す雇用保険制度見直しに関する提言を発表。「雇用保険二事業」の保険料積立金等を活用して就職氷河期対策を行うのであれば、それらの政策の目標明確化や効果等の検証が必要だと訴えた。
政府は同年6月に閣議決定した「骨太の方針」で、30代半ば~40代半ばの「就職氷河期世代」の就労支援を課題に掲げている。
そして、その課題解決の財源として雇用保険二事業の積立金を活用することが、政府により検討されている。
今回の経団連提言では「本来の役割である雇用のセーフティーネット機能を逸脱しないようにするべきだ」と強調し、安易な積立金の取り崩しにくぎを刺した格好だ。
政府の就職氷河期対策とは?
政府は同年6月11日、経済財政諮問会議で「骨太の方針」の原案を示している。現在30代半ば~40代半ばの「就職氷河期世代」について、約3年間で正規雇用を30万人増やすのが政策のポイントだ。
会議で議長の安倍首相は「氷河期世代への対応は国の将来に関わる重要な課題であり、計画の策定だけでなく、実行こそが大事だ」と強調しており、政府一丸となって同政策に注力していく構えだ。
100万人の中にはどんな人がいるの?
40~44歳の「ポスト団塊ジュニア世代」は、就職氷河期の2000年前後に大学を卒業した。彼らは、就活に失敗するなどして、「ひきこもり」になってしまった人も多いようだ。
ところが、地方自治体のひきこもり支援の対象者は、39歳未満とされていることが多い。このままでは40代の彼らが就職支援を受けることができないので、今回の就職氷河期対策は彼らにとってとても貴重なチャンスとなりそうだ。
そもそも、就職氷河期とは?
バブル崩壊後に新卒の学生を中心に就職難が社会問題となった時期がある。具体的には、平成5年(1993)~平成17年(2005)頃までを指すとされている。