【2025年12月】6958 日本シイエムケイは伸びる 車載ECUの宝箱銘柄

Daily stock chart of CMK Co Ltd showing a strong uptrend from early October to December with rising trading volume and resistance around the 500 yen level

決算の数字だけでは語れない銘柄がある。

今期の業績は平凡に見えても、その裏側で静かに動き始めている潮流が、後になって株価を大きく押し上げることがある。

僕は今注目しているのは、日本シイエムケイ。

この記事では、短期の値幅取りは狙わない。

これから伸びる銘柄を、一歩早く掴みたい投資家
車載関連の本命を探している中級者
成長ストーリーと株価の連動を理解したい人

こうした読者を想定して書いている。

統合ECUの波

EV化による高付加価値基板の需要

タイ新工場の本格稼働

生産性改善の進行

これらが、日本シイエムケイの未来を形づくる要素だ。
この記事を読み終える頃には、この銘柄がなぜ今、投資妙味を増しつつあるのかが自然と腑に落ちるはずだ。

目次

6958 日本シイエムケイ株式会社 | 会社概要

基本情報(会社データ)

項目内容
社名日本シイエムケイ株式会社
上場1985年7月
設立1961年2月
本社所在地東京都新宿区西新宿6-5-1
電話番号03-5323-0231
従業員連結4,433名、単体1,157名、平均年齢約49歳、平均年収607万円(四季報表記)

事業内容

セグメント内容
プリント配線板事業自動車向けが約8割と主力。ビルドアップ配線板など高付加価値製品を展開
基板構成ビルドアップ基板、多層プリント配線板、両面プリント配線板など幅広くカバー
需要ドライバー自動車電装化(ADAS・EV・コネクテッドカー)、産業機器向け安定需要

連結事業(売上構成)

区分構成比
ビルドアップ基板31%
多層プリント配線板53%
両面プリント配線板11%
その他(海外含む)5%

株価指標

指標数値
時価総額360億円
予想PER10倍台前半
実績PBR約0.48倍
予想配当利回り約3.9%
1株純資産1,042円(四季報)
自己株式保有率0%
年初来高値547円
年初来安値310円
年初来株価上昇率約17%

比較対象になりやすい銘柄

銘柄コード企業名
6658 シライ電子
6787メイコー
6837京写

引用:日本CMK(6958)の株価・業績・比較銘柄 | 会社四季報オンライン(記事執筆時点)

今、何が起きているのか

日本シイエムケイはすでに車載基板メーカーとしての地位を固めているが、ここから先の成長軌道が大きく変わるポイントに差し掛かっている。

車載基板比率は、86パーセント。

特にパワートレインと走行安全は三割前後を占める主力だ。
そして、その中心に来るのが統合ECUだ。

基板メーカーとしての成長は、二つの軸で決まる。

どの市場に向けて製品を作るのか
どの技術に張るのか

この二点が中長期の株価を左右する。

日本シイエムケイは、この二つを明確に絞り込んでいる。

統合ECUは伸びるではなく伸びざるを得ない

資料には2030年に売上百80億円という予測が示されていた。
重要なのは数字の大きさではなく、その必然性だ。

クルマは電子制御の塊になった。

ブレーキ
ステアリング
エアバッグ
ADAS
電動パワートレイン

これらは本来、個別のECUで制御されていたものだが

部品点数の多さ
重量
電力効率
配線の複雑化

この問題が限界に達し、世界中の自動車メーカーが統合ECUへ移行しつつある。

つまり、伸びる伸びないを議論する段階ではなく
自動車産業が構造的に統合へ向かう
こうした現実がある。

日本シイエムケイは、その波の真ん中にいる。

さらに今回の資料では、前回予測より需要が上振れしたと書かれていた。
これが市場に織り込まれるにはタイムラグがある。
そして株価は、そのラグを埋めに行く時に大きく動く。

生産性改善の効果は数字に現れ始めている

中国工場の収益が7億台から11億台へ改善した背景には

自動化

大判化

工程短縮

データ化によるミス減少

こうした、基板製造では避けて通れない改善活動がある。

基板生産は、設備能力と歩留まりの二つで利益が決まる。

改善が積み上がると

同じ売上でも利益が増える

設備投資の回収が早まる

高付加価値製品の量産が進む

このように連鎖的に効いてくる。

つまり、これは短期的なコスト削減ではなく、翌期へ向けて利益率が戻り始めるサインでもある。

新事業領域は伸びしろの源泉

直近の決算を見ると、

航空宇宙
半導体周辺
医療機器
通信インフラ
ロボティクス

こうした分野の試作受注が増えている。
しかし、ここで誤解してはいけない。

日本シイエムケイの成長は車載が中心であり、新事業領域がいきなり売上を変えるわけではない。
では、何が重要なのか。

これらの新領域では

高多層基板
厚銅
細線化
放熱性向上

といった難易度の高い基板が求められる。
単価が高い製品が増えるということだ。

つまり、売上ではなく利益率の押し上げに寄与する。
車載の強さに加えて、収益の質が上がる。
この組み合わせは、企業価値を長期で押し上げる要因になる。

タイ新工場は収益転換の起点になる

今後の日本シイエムケイの業績を読むうえで、最も重要なのはタイ新工場だ。

立ち上げ直後は利益が落ちやすいが、本格稼働に入ると

量産効果

人件費の優位性

最新設備による歩留まり改善

こうした恩恵が一気に効き始める。

車載基板は要求品質が極めて高く、安定供給が最優先事項になる。
新工場はまさにその解として作られたものだ。

つまり、この新工場が動き出すというのは

高付加価値基板の供給量が増える

売上ミックスが改善する

利益率が一段引き上がる

この三段階の変化がセットで起きるということだ。

今の株価は、このフル寄与を全く織り込んでいない。
これが投資妙味の源泉になる。

日本シイエムケイの株はどこまで伸びるのか

専業としてチャートと事業の流れを重ねて見ていると、三つの未来が見えてくる。

①業績回復を素直に織り込み、右肩上がりへ

来期以降の利益回復が見えれば、株価は自然と節目を超えてくる。
2024年から2026年にかけて、企業としての底力が問われる。

②統合ECUの本格量産期に入れば一段上へ

自動車メーカー側の量産化は、ある日突然表面化することもある。
この時期にぶつかると、一歩早く持っていた投資家が最も報われる。

③短期調整があっても注目度は落ちない

工場立ち上げの負荷が短期的に利益を押す可能性はある。
しかし、それはむしろ拾われる局面だと僕は見ている。

まとめ

株価が大きく動く銘柄には、一つの共通点がある。
世の中の変化と企業の進む方向が、きれいに重なる瞬間が来る。

日本シイエムケイは、まさにこの地点にいる。

統合ECUの波
高付加価値基板の増加
タイ新工場の寄与
生産性改善の積み上げ
新領域を支える技術力

これらが2026年から2028年

にかけて一本の線になる。

今はまだ静かだが、その静けさこそが買い場になることを、僕は何度も相場で経験してきた。
この銘柄には、その匂いが確かにある。

日本シイエムケイの株価がどうなるか。
数か月後、数年後に答え合わせだ。

本記事は、特定の銘柄を推奨する目的で作成したものではありません。投資にはリスクが伴います。掲載内容は市場分析と筆者の見解をまとめたものであり、ご自身の状況やリスク許容度に応じて、慎重に投資判断を行いましょう。

【STEPで学ぶ】日本シイエムケイをトレードする前に

この記事では、ファンダメンタルの話をしてきた。
だが、株式投資ではファンダメンタルの知識だけでは足りない。

投資をする上で、メンタル面の知識の補強が必要だ。

たとえば、

投資家心理

感情のコントロール

といったことを学んでもらうために、レベルアップ方式でおすすめ記事を紹介する。

記事の内容はFXをテーマにしたものだが、株式投資にも通じる部分があるので、参考にしてほしい。

STEP
どん底から生還した実話に学ぶリスクと感情管理

まずはメンタルとリスクの話から。
なぜ人は破産するのか、どこで判断を誤るのか。

このステップでは、過去の失敗事例を通じて感情と資金管理の重要性を直視する。
損失を最小限にとどめるための思考回路を、ここで見直してほしい。

STEP
恐怖の投資家心理を読み解く

次に学ぶのは、人間心理が相場でどう働くかという視点。

損切りできない、利益確定が早すぎる
その背景には「自分の心のクセ」がある。

ここでは、認知的不協和という心理メカニズムから自分自身の行動パターンを見直し、冷静な判断を磨いていく。

STEP
市場の裏で動く資金の動態を読み解く

個人には見えにくいが、為替相場の裏には巨大資金の動きがある。

どのタイミングで、どのような条件下で動きやすいのか。

この視点を持てば、トレードの読みは一段深くなる。

Daily stock chart of CMK Co Ltd showing a strong uptrend from early October to December with rising trading volume and resistance around the 500 yen level

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この記事を書いた人

慶應義塾大学経済学部卒業、FP2級、証券外務員一種、宅建士取得。証券アナリスト(CMA)、テクニカルアナリスト(CMTA)保有。 FOREX Dealing Crop.代表、株式投資家兼為替トレーダー、不動産投資家。2007年に大学入学と同時にネット証券の口座を開設し、株式投資とFXを始める。投資開始当初は、リーマンショックの渦中で信用取引の短期売買を繰り返し、アルバイトで貯めた56万円を失う「大損」を経験。家庭教師のアルバイトをしながら株式投資とFXを続け、学費を投資で稼ぐようになる。そんな投資経験を活かして大手証券会社に就職し、自社資金を運用するプロップ・ディーラーとして10年以上勤務。現在は、専業トレーダーとして、株式投資・FXでサラリーマンの平均年収の3倍以上の収益を上げつつ、不動産投資家としても活動。東京・大阪を中心にマンション投資を行う。自身の投資で得た経験と専門知識をもとに投資の難しさや面白さ、ノウハウを世に広めていきたいと考え、FOREX Dealingを立ち上げ、情報発信を行っている。

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