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米中貿易摩擦のリスク重視で利下げ
FRBは、9月18日のFOMCで政策金利を0.25%引き下げ、「年1.75~2.00%」とした。7月に続き、今年2度目の利下げだ。
利下げの理由は?
米中貿易摩擦が主な原因
FRBは利下げの理由として、米国経済は緩やかに拡大しているものの「米中貿易摩擦により企業の投資・輸出が減少している」ことを挙げた。
また、FRBは世界経済の減速懸念も利下げの要因とし、インフレ率の2%目標未達など「貿易をめぐる緊張が高まったり、緩んだりする不確実性が企業の負担になっている」と述べ、経済の現状と先行きに対する警戒感を表明。トランプ政権の政策への不満をにじませた。
なお、今回の利下げ決定に際して、投票権を持つ10人中3人が「0.25%」の小幅な利下げに反対。1人は0.5%の大幅利下げを主張し、2人が据え置きを求めていた。
10月以降の再利下げはある?
結論としては、10月以降の利下げはあり得る。
パウエル議長は、会合後の記者会見で「もし景気の減速が認められれば、さらに大幅な利下げが適切だ。我々は、景気拡大を持続的なものにするために必要な行動を取る。」と述べ、景気動向を見ながら追加利下げを検討する姿勢を示したのだ。
今回の利下げはなぜ小幅?
利下げはあくまでもリスクに対する保険的措置
パウエル議長は、「利下げは、あくまでもリスクに対する保険」だとし、今回は小幅な金融緩和にとどめたと述べた。現時点で景気後退は予想していないとしながらも、「景気後退が認められれば、積極的にさらなる利下げを検討する」と述べている。
トランプ大統領の姿勢は?
利下げが「小幅」であることを批判
トランプ大統領は「大幅利下げ」を望んでおり、会合直後に「パウエル議長とFRBには勇気もセンスもなく、ビジョンも持っていない。」などとTwitterに投稿して不満を漏らした。
利下げによる為替への影響は?
FOMCの会見は、9月19日午前3時頃に行われた。USD/JPY 1時間足を見てみよう。