海外FXの確定申告
海外FXは近年大人気で、国内FXから乗り換える人も続出している。
そこで気になるのが「税金」だ。どんな時に納税の必要があるのか、
一体どうやって納税するのか・・・このページで説明させていただこう。
確定申告は義務?
どんな時に納税するの?
日本の法律で次の表の通りに決まっている。
給与所得の有無 | 確定申告の条件 |
あり | 年間利益20万円以上なら申告必須 |
なし | 年間利益38万円以上なら申告必須 |
どうやって税額を計算するの?
そもそも、確定申告って何?
日本の税金(所得税)は、一人ひとりの国民が、自ら税務署へ所得等の申告を行うことにより税額が決まる「申告納税制度」を採用している。確定申告で決まった税額を国民自ら納付する。
一方で、行政機関が国民の税額を決める方法を「賦課課税制度」といい、住民税等の地方税ではこちらの方法が採用されている。
確定申告をしない場合の主なペナルティ
(1)無申告加算税
確定申告書を提出期限(毎年3月15日)までに提出しない場合、本税に加えて課される税金が無申告加算税だ。その金額は、本税に対して、「50万円までは15%」「50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額」となる。
なお、提出期限を過ぎてしまっても、自主的かつ税務調査前に申告をした場合、無申告加算税が「5%の割合を乗じて計算した金額」に軽減される。
(2)延滞税
確定申告書の提出期限(毎年3月15日)は、本税の納税期限も兼ねている。同期間までに本税の納税が行われない場合の罰則的な税金として、延滞税がある。
納税期限の翌日(3月16日)から実際に納税する日までの日数に応じて、延滞税が計算・課税される。税率はその年により異なるが、2018年(平成30年)は年2.6%~8.9%となっている。どれだけ遅延したかにより、税率が大幅に変わるので注意が必要だ。
より具体的な確定申告の知識
海外FXの所得の分類は?
海外FXの収入は総合課税の「雑所得」にあたる
海外FXの「損益通算」をしよう
雑所得の中で利益と損失を相殺可能だ。
海外FXと国内FXの損益通算はできない。
国内FXは日本株と同様に「申告分離課税の雑所得」であり、海外FXの「総合課税の雑所得」とは異なる所得区分だ。
両者とも同じ雑所得だが所得区分が異なるので、それらの損益通算はできない。
投資商品別の課税方法
商品名 |
所得の分類 | 課税方法 | |
上場株式 (日本株) |
売却益 | 譲渡所得 | 申告分離課税 |
配当金 | 配当所得 |
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国内FX | 決済益 | 雑所得 | 申告分離課税 |
スワップ益 | 雑所得 | 申告分離課税 | |
海外FX | 決済益 | 雑所得 | 総合課税 |
スワップ益 | 雑所得 | 総合課税 |
- 上記の表中で赤色で示した「総合課税」は、確定申告が必要だ。
海外FXは「損失繰越し」ができない
雑所得は、損失を次年度以降に繰越せない。
海外FXは「総合課税の雑所得」に分類されるため、損失が出ても次年度以降に繰越せない。
どうしても「損失繰越し」がしたい場合
- 国内FXは、3年間の損失繰越しができる。
- 法人化して、法人口座で取引をすれば「海外FX」でも損失を繰越せる場合がある。
海外FXの利益を白色申告をしよう
青色申告は個人事業主向けだ。
青色申告で事業内容を「為替取引」としても、税務署から認められないので注意しよう。
申告の種類 | 事前申請 | 控除額 | 海外FX |
白色申告 | 必要 | なし | 対応 |
青色申告 | 不要 | 最大65万円 | 未対応 |
上記の表だけを見ると、白色申告にはメリットが無いように見えるが・・・青色申告よりも白色申告は、日々の帳簿の記録・管理が簡単なもの(単式簿記)で構わず確定申告が楽だというメリットがある。
また、青色申告を行う者(個人事業主)は、税務署からマークされやすく税務調査の対象となりやすいという話もある。