金融政策決定会合で低金利継続の方針決定
日銀の黒田東彦総裁は、2019年4月25日の金融政策決定会合を受けて、「低金利を継続」するという方針を発表。フォワードガイダンス(金融政策の先行き指針)を変更した。
これまで低金利の期間を「当分の間」としていたが、これに「少なくとも2020年春ごろまで」という文言を追加した。そのうえで、黒田総裁は「金融緩和の継続をより明確にする」と述べた。
2020年春ごろまで、金利を引き上げる検討自体をする予定がなく、相当長い期間にわたって低金利政策を継続する。
消費税率引き上げの影響や海外動向を考慮
低金利政策の継続にあたり、黒田総裁は「消費税率の引き上げ」と「海外経済の不確実な動向」を要因として挙げた。なお、フォワードガイダンス(金融政策の先行き指針)の変更には、2名の委員が反対していた。
また、同時に公表した「経済・物価情勢の展望」において、2021年度も物価が2%に達しない見通しであることを踏まえて、上場投資信託(ETF)を一時的に市場参加者に貸し付ける制度の導入を検討している。
金融緩和を維持(ゼロ金利)
金融政策決定会合では、短期金利をマイナス0.1%・長期金利を0%程度とし、金融緩和政策を維持することを決定。上場投資信託(ETF)などの資産買い入れ目標額も据え置いた。
日銀の金融緩和が銀行の収益に影響?
日銀による金融緩和政策が銀行等の地方金融機関の収益を圧迫しているとの指摘があったが、黒田総裁は会見で、「構造的な要因が大きい。地方の人口減少や企業数の減少が問題だ。」などと反論した。
そのうえで、地方の金融機関は、合併や業務提携などの改革を行う必要があるとの見解を示した。また、平成は「デフレとの闘い」だったと振り返った。