政府が2000万円報告書を撤回
働き盛りの30代の年収と貯蓄
30歳~34歳の平均年収
男性 | 451万円 |
女性 | 307万円 |
全体平均 | 397万円 |
男性の平均年収が「意外と高い」と思われた方も多いのではないだろうか。
上記はあくまでも平均なので、一部の大企業の給与が平均を押し上げている可能性がある。
35歳~39歳の平均年収
男性 | 510万円 |
女性 | 299万円 |
全体平均 | 432万円 |
業種別平均年収(全年齢)
1位 | 電気・ガス・水道 | 715万円 |
2位 | 金融・保険 | 639万円 |
3位 | 情報通信 | 575万円 |
4位 | 学術・教育 | 501万円 |
5位 | 製造 | 490万円 |
6位 | 建設 | 468万円 |
7位 | 複合サービス | 425万円 |
8位 | 不動産 | 424万円 |
9位 | 運輸・郵便 | 414万円 |
10位 | 医療・福祉 | 388万円 |
11位 | 卸売・小売 | 358万円 |
12位 | サービス | 345万円 |
13位 | 農林・水産・鉱業 | 306万円 |
14位 | 宿泊・飲食 | 236万円 |
上記は業種だけで区別した平均年収であり、正規と非正規を区別しない全労働者・全年齢の平均値だ。
このため、非正規雇用が多い業種の平均値は低下してしまうので、あくまでも参考程度にしていただきたい。
30代の平均貯蓄
30代の日本国民一人あたりの平均貯蓄は、200~300万円程度だと言われている。
年齢層別だと30代前半の男性なら150万円~200万円程度、30代後半の男性なら400万円程度が平均的な貯蓄ラインの目安になる。
なお、「世帯主が30代」の場合にフォーカスすると、一世帯あたりの平均金融資産保有額は660万円。中央値は382万円となっている。「平均」は一部の高収入層が数値を押し上げているので、中央値の方がより庶民の実感に近いと考えられる。
ところで、2015年の国勢調査では30歳は「41.9%」、40代前半なら「24.9%」が未婚という調査結果がある。
一世帯といっても30代全体で3割程度が未婚だと考えられる。世帯あたりの貯蓄統計を見る際には、このような現状も踏まえておきたい。
30代の平均負債
「貯蓄はあるけれど、負債を抱えている」という世帯もあるだろう。
2014年に総務省統計局がまとめた資料『二人以上の世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果』によると、30代の平均負債は1,013万円だ。
30代になると既婚率が5割を超える。そして、30代といえば昇進昇格等により収入が増えてくるタイミングで、結婚後すぐに住宅ローンを組む世帯(二人以上世帯)も増えることから、30代未満の407万円から一気に負債が増えている。
1,013万円以上の負債を抱えていると、30代の世帯あたりの貯蓄(平均660万円 / 中央値382万円)を負債が上回るので純資産は赤字だ。
老後の2,000万円の生活費を確保するには、収入を増やしたり支出を見直したりするなど、各世帯が工夫を凝らす必要がある。
まとめ
「日本国民の平均年齢が高くなることなどから、定年後の生活に必要な資産が増えている」ことを踏まえ、金融審議会の市場ワーキンググループが国民に自助的な資産形成を喚起する目的で報告書をまとめ、6月3日に公表した。
同報告書では、「夫65歳以上と妻60歳以上の夫婦」の場合、毎月5万円の赤字が生じるため定年後に約2,000万円の資産が必要だと主張し、社会問題となった。
「事実上の撤回」を表明する形となったが、「政府非承認」の状態のまま報告書のHP掲載を続けるとのことだ。報告書の正式名称は、『高齢社会における資産形成・管理』だ。
以下に報告書へのリンクを掲載させていただく。
※政府が掲載を停止した場合、リンク切れとなることがあります。