VPS(ブイピーエス)って一体なに?
VPS(ブイピーエス)というと、確かに、なんだか聞きなれない人も多いかもしれない。
投資家の皆さんは、FX自動売買をする際に、MT4というソフトをPC上で稼働させておく必要がある。
もちろん、自分のPCを一日中稼働させても良いのだが、電気代がかかるし、PCが劣化してしまうし、地震で停電が起きた際にはPCが止まってしまうリスクがある。
そういったリスクを避けるために、専門の業者がレンタルサーバー(仮想的なサーバー)を貸し出しており、それらを「VPS(ブイピーエス)」と呼んでいる。
中には、FX自動売買専門のVPSサービスを提供している業者もある。
国内でFX取引(FX自動売買)向けにVPS(ブイピーエス)サービスを提供している業者は限られており、本稿では一定の知名度があり信頼性のある業者だけをご紹介させていただくので、ぜひご参考にしていただきたい。
FX自動売買のFXトレーダー向けVPS比較表
FX自動売買を行うFXトレーダー向けのVPSは、主に次の3種類だ。
- お名前.com デスクトップクラウド for MT4
- SPPDレンタルサーバー
- ABLENET
まずは、「人気度」と「安定感」だけで簡単に比較してみよう。
サービスの安定感が高く、FX自動売買を行うFXトレーダーから最も人気があるのは、お名前.com デスクトップクラウド for MT4だ。
お名前.comは、MT4専用のVPSサービスと銘打ってVPSサービスを提供していることも、FX自動売買を行うFXトレーダーから評価されている一因となっているようだ。
なお、評価は「5段階」としている。
VPSサービス名称 | 人気度 | 安定感 |
4 | 5 | |
SPPDレンタルサーバー | 2.5 | 4 |
ABLENET | 3 | 3 |
お名前.com デスクトップクラウド for MT4
「お名前.com デスクトップクラウド for MT4」は、最初からMT4がサーバーにインストールされているFXトレーダー専用のVPSサービスだ。FX自動売買を行うFXトレーダーには最適だ。
初期設定は、PCが余程苦手でなければ「ほぼ何もする必要ない」というほど簡単だ。
2020年3月5日(木)に価格とスペックが大幅改定され、複数の価格とスペックが用意されている。ユーザーのニーズに応じて様々なコースから選んで契約でき、無駄が生じることがないのでコストパフォーマンスが高い。
人気度 | 4 |
安定感 | 5 |
コストパフォーマンス | 4.5 |
初期設定の簡単さ | 4.5 |
総合 | 4.5 |
SPPDレンタルサーバー
SPPDレンタルサーバーは、個人・法人向けのホスティングサービスだ。FXに適したVPSプランの他にも、「メール」や「ウェブ」様々なプランが用意されている。
ウェブサイトのホスティングサービスとは異なり、FXでVPSを利用する場合には、「容量が多ければ良い」というものではないので、「60GB」という容量ばかりにとらわれないようにしたい。
むしろ、「回線のスピード」や「回線の安定感」、そして、これまでの「VPSの運用実績」の方が大切なポイントだ。
人気度 | 2.5 |
安定感 | 3.0 |
コストパフォーマンス | 3.5 |
初期設定の簡単さ | 3.0 |
総合 | 3.0 |
ABLENET
ABLENETはFX自動売買を行うFXトレーダーの間で知名度が高く、10年以上の運用実績があるVPSサーバーだ。
しかし、FX自動売買を行うFXトレーダーだけでなく、様々な用途で利用する人がいるので、時間帯によってはサーバーが重くなってしまうことがあるのがネックだ。
VPSのプランは複数用意されており、自分に合ったプランを探すことができるので、一度検討してみてはいかがだろうか。
人気度 | 3.0 |
安定感 | 3.0 |
コストパフォーマンス | 2.5 |
初期設定の簡単さ | 2.5 |
総合 | 2.5 |
VPSのことがもっと知りたい!
VPSの概要については、本稿の冒頭部で書かせていただいたのだが、「もっと詳しく知りたい!」という、FX自動売買を行うFXトレーダーもいらっしゃることだろう。
そこで、本稿では、ここからVPSについて、もう少し詳しく書かせていただきたい。
VPSって、どうして安いの?
VPSは、物理サーバー(いわゆる、モノとして存在するコンピューターのサーバーのこと。
通常は、一般的なPCよりも堅牢性が高い。)にインストールされているOSにおいて、VPSに申し込んだユーザー毎に「仮想のサーバー」が作られて割り当てられる。
VPSユーザーは、その「仮想のサーバー」を使うことができるため、VPS業者は、沢山のユーザーが申し込んでくれれば、一つの物理サーバーに沢山の「仮想サーバー」を作ってVPSユーザーから利用料を徴収することができ、一人当たりの利用料を抑えることができるのだ。
つまり、VPSユーザー一人ひとりに対して、「一台の物理的なパソコン」を準備してくれている訳ではないのだ。そんなことをしていたら、VPSの事業が成り立たない!
VPSユーザーが迷惑行為をしたら、どうなる?
例えば、VPSユーザーが、VPSを借りて、仮想サーバーに異常な負荷のかかる処理(例えば、通常では考えられないほど大量のFX自動売買のEAを同時に稼働させるなど。)をさせた場合には、物理サーバー(同じサーバーPC)のメモリ不足等が生じる。
そして、同じ物理サーバー内(同じサーバーPC)で仮想サーバーが割り当てられている他のVPSユーザーに迷惑をかけてしまう可能性がある。
逆に、自分自身がそういった行為をしなくても、同じ物理サーバー内にそういった迷惑行為をされる方がいらっしゃる場合には、自分が被害を被ってしまう可能性があるのだ。
そのため、自分の大切な金融資産を運用するFXトレードのためにVPSサーバーを選ぶ際には、「メモリ容量(例:8GBなど)」は意外と重要な要素だし、サーバーの安定性や信頼感、運用実績も参考にしていただきたいポイントだ。
例えば、下記は、お名前.com デスクトップクラウド for MT4 のスペック表だが、もし経済的に余裕があれば「メモリ8GB」を選んでおくのが最も無難な選択だ。
同じ物理サーバー(物理サーバー内にVPSの仮想サーバーがいくつも割り当てられる。)を利用するVPSユーザーの顔が見えず、その方がどのような使い方をされるのかが分からない以上、VPSサーバーの最上位プランを選ぶのが最も無難な選択といえるだろう。
FX自動売買では、皆さんの大切なお金を運用する以上、思わぬ不測の事態でそれらのお金を失ってしまわないように、VPSサーバーの月額3,600円や5,500円は、必要経費だと考えてみてはいかがだろうか。
まとめ
VPS(ブイピーエス)は、FX自動売買(EA)を行うFXトレーダーにとって、大変便利なサービスだ。
「なんとなく」口コミが良いからという理由や、価格が安いからという理由でVPSサーバーを選んでしまっている人も多いと思う。
それ自体を否定する訳ではないのだが、自分の大切な金融資産を運用するFX投資でVPSサーバーを利用するのであれば、VPSサーバー選びで最も重要なのは、サーバーの「安定感」だ。
サーバーの安定感に関する情報を個人で入手するのは容易ではないと思うので、VPSサーバー選びの際には、本稿をぜひ参考にしていただければ幸いだ。
皆さんが、ご自身に合うVPSサーバーと契約し、FX自動売買で安定した収益が得られることを願っている。