関西電力の会長らが多額の金品受領

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高浜町元助役が関電重役に裏金

関西電力の八木会長・岩根社長・豊松副社長ら20人の重役が、福井県高浜町の元助役(任期:1977年~89年)の森山栄治氏から2017年までの7年間で計約3億2千万円の金品を受け取っていた事実が、金沢国税局の税務調査や匿名の「告発文書」により発覚した。同町では関電高浜原発が稼働している。

いわゆる「原発マネー」が関電重役らに還流されていたのだ。重役ら関係者は、金品受領の事実を認めている。また、元助役の森山氏が地元の建設会社の吉田開発から約3億円を受け取っていたことも分かっている。

2019年9月26日、関電広報室は社内調査委員会による調査結果を公表し、「受領した金品は、ほぼ全て返却した。」などと主張している。そして、さらに問題視なのは、「裏金渡し」が始まってから吉田開発に対する「原発関連工事」の受注が約6倍に急増していたのだ。
なお、森山氏は、関電内で通称「Mさん」と呼ばれていた。

問題発覚の経緯

2018年1月、金沢国税局が原発関連工事を手掛ける吉田開発(高浜町)に対して税務調査を実施。同社から工事受注の手数料という名目で約3億円の資金が森山氏に流れていることが分かった。
その後、国税局が森山氏の税務調査も行ったことで「裏金渡し」の事実が発覚した。裏金の金額は当初1億8千万円程度とみられていたが、実際には3億2000万円以上に上ることが明らかになっている。

そもそも、原発誘致の理由は?

1960年頃から高浜町の人口流出が始まり、同町は過疎化してしまった。また、同町には特に目立った産業が無かったため、原発誘致で町の活性化を図ったのだ。

助役とは?

助役は、2007年3月31日まで存在した地方自治体の役職で、市町村長を補佐し事務を監督する地方公務員の特別職だ。現在では呼び方が変わり、「副市長(又は副町長、副村長)」となっている。

告発文書とは?

週刊朝日が「告発文書」を入手し、ネット上に公開している。下記にそのスクリーンショット画像を掲載させていただく。

元助役が関電子会社の顧問!?

2019年10月1日、新聞各社が新たな情報を掴み報道した。関電の全額出資会社「関電プラント(大阪市)」が30年以上(1987年~2018年12月)にわたって福井県高浜町の元助役・森山氏と非常勤顧問の契約をし、報酬を支払っていたというのだ。

報酬の額は不明だが、同社は「常識の範囲内」だと主張している。

そして同社は元助役と関係のある高浜町内の建設会社・吉田開発(福井県高浜町)に対し、少なくとも1億5千万円の工事を発注していた。発注者と受注者は利益相反関係にあり、元助役は双方と懇意にしていながら親会社の関電重役に「裏金」を渡していたことになる。
関電プラントの担当者は、「有識者」から助言をもらうために森山氏と契約していたと主張している。しかし、同氏が関電プラント本社に来たことはなく、同社幹部が高浜町を訪れた際に同氏と面談する程度だったという。
なお、2018年12月に顧問契約を終了したのは、森山氏の体調が悪化したことが理由とのことだ。

関電、裏金の実態を公表へ

2019年9月29日、関西電力は幹部会議で「社内報告書」を開示する方針を固めた。全員の氏名、正確な人数や金額を公表する方針を示した。

10月2日に会見

2019年10月2日の14時から、経営トップの八木会長と岩根社長が同席して「金品授受問題」の説明を行うための会見が開かれた。会見では、20人の重役らが「金貨365枚、小判3枚、金500g、金杯8セット、6322万円分の商品券、スーツ仕立券(スーツ75着相当)、1億4501万円以上の現金」を受け取っていたことを明かした。会見時の資料等によると、その総額は3億2,000万円以上に上る。

受領金額の多い順

鈴木常務 1億2367円相当
(現金7000万円)
豊松元副社長 1億57万円相当
(現金4000万円)
八木会長 859万円相当
(商品券30万円、金貨63枚、金杯7セット)
岩根社長 150万円相当

関電としては、森山氏(通称Mさん)は「自分を大きく見せようとする」示威行為の手段として金品を渡していたと認識しており、金品の返還を試みても「無礼者!ワシを軽く見るなよ!」と激高され、返すことができなかったとのことだ。また、関係者は現在、ほとんど全ての金品を返却済みだと主張している。

そして、吉田開発への発注に関しては、「社内規定に従い適切に行っていた」と主張している。

関電による社内処分

10月2日の会見では、岩根社長と八木会長は辞任を再び否定した。その上で、6名の社内処分を行うと発表。その内容は以下の通りだ。

八木誠会長 報酬2割を2か月返上
豊松秀己元副社長 報酬2割を2か月返上
岩根茂樹社長 報酬2割を1か月返上
森中郁雄副社長 厳重注意
鈴木聡常務 厳重注意
大塚茂樹常務 厳重注意

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この記事を書いた人

中学時代から株のチャートを眺めて株価を予想し、大学生(18歳)になって直ぐに証券口座を開いて株式投資とFXを始める。新卒で東京の中小企業に就職するも、企業の将来性に不安を感じて僅か5か月で退職し、複数回の転職も経験。自宅で株取引とFX取引をして成功と失敗を繰り返しながら投資の実力を培う。現在は、主にFXで毎年安定してサラリーマンの平均年収の約3倍程度の投資収益を出している。複数の海外FX口座を利用中。FXで大きな儲けを獲得し、現在は不動産投資にも挑戦中!

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