ADXとは?
ADXは、モメンタム指標の一種で「相場におけるトレンドの強さ」を分かりやすく示してくれるインジケーターだ。価格の変動幅を指数化することで、トレンドの方向性や強弱の度合いを分析する。
ADXの特徴と使い方
為替相場のトレンド開始・継続・終了を見極める
ADXが上昇トレンドを描き始めたら「上昇又は下落トレンドの開始」と判断し、ADXの上昇中は「相場のトレンドは継続」と捉える。そして、ADXが下落に転じたら「トレンドの終了」とみなし、ADXの下落中は「相場はトレンドのない状態」だと考える。
ADXだけではトレンドの方向は分からない
ADXが示すのは、為替相場における「トレンドの有無」と「トレンドの強弱」だ。このため、ADX単体で売買判断を下すことはできない。一般的には「DMI」というテクニカル指標とADXを併用することで、売買ポイントを探ることが多い。
DMIとは?
DMI(Directional Movement Index)は日本語で「方向性指数」といい、トレンドの方向性を見極めるために使うインジケーターだ。「順張り戦略」で特に有用であり、多くの投資家がADXと併せて愛用している。
ADXとDMIの組み合わせの「買いシグナル」
- +DIが-DIを上抜き、ADXの線が上昇トレンドのとき
- +DIが-DIより上にあり、ADXが下落から上昇に転じたとき
ADXとDMIの組み合わせの「売りシグナル」
- ADXが上昇から下落に転じたら「トレンド終焉」なので手仕舞い
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-DIが+DIを下抜き、ADXが下落トレンドのとき
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+DIが-DIより下にあり、ADXが上昇から下落に転じたとき
ADXとDMIの見方&使い方
USD/JPYの週足チャートにADXを適用したので、ご覧いただきたい。なお、MT4に標準搭載された「ADX」のインジケーターにはDMIの線が含まれている。
- 青色の線:-DI
- 赤色の線:+DI
- 水色の線:ADX
一つ目の白丸では、+DIが-DIを下から突き抜けており、その瞬間はADXが下落トレンドだが徐々にADXも上昇トレンドに転じたことでUSD/JPYの為替相場も上昇トレンドに転換している。
二つ目の白丸では、-DIが+DIを下抜けており、少し遅れてADXも下落トレンドに転じている。これらの条件でADXとDMIは為替相場の下落転換を示唆しており、実際にUSD/JPYの週足チャートは大きな下落トレンドを描き始めた。
三つ目と四つ目の白丸は、典型的な上昇トレンド示唆である。+DIが-DIを上抜けた瞬間(又はその直後)にADXも上昇に転じており、買いサインが点灯している。実際に、このサインの直後からUSD/JPYの週足チャートが上昇トレンドに入っている。