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韓国、日本のホワイト国除外で報復
2019年9月17日、韓国は日本をホワイト国から除外する方針を決定し、18日から施行した。韓国産業通商資源部は会見を開き、「韓国の輸出管理体制の強化が目的だ。」と主張している。
日本は8月に韓国をホワイト国から除外しており、今回の韓国の措置は、これに対する報復だと考えられる。これを受けて、菅原経産相は18日に遺憾の意を表明した。
経産相は「韓国政府が8月に方針を示した後、さまざまなルートを通じて判断の根拠の詳細を問い合わせてきた」と述べている。
ホワイト国って何?
2002年4月に、日本で安全保障貿易管理をしっかりと行うことを目的として、「キャッチオール規制」と「補完的輸出規制」という制度が導入された。
同制度では、「大量破壊兵器や通常兵器の開発」に使われる懸念がある貨物の輸出や、それらにまつわる技術提供行為などを行う際に経産相への届け出と許可を受けることを義務づけている。
日本政府は、同制度の「輸出管理」の中で優遇措置(手続き簡略化)対象国を「ホワイト国」と呼んでいた。なお、2019年8月2日から、「ホワイト国」という名称を廃止し、「グループA」とした。
一方で、非ホワイト国は「グループB、C、D」へと変更した。
訪日韓国人は減少
韓国では、「日本製品を買わない、使わない」というボイコット・ジャパン運動が広がっている。日本総研によると、訪日外国人のうち韓国人は4分の1を占めているので、日本経済、とりわけ観光産業への悪影響が懸念される。
韓国は日本から近距離に位置しており、韓国人旅行客の日本旅行時の滞在時間は比較的短い。このため、訪日時の日本国内での消費額は少ないのだが、それでも2018年の消費額は5,881億円に達し、インバウンド消費全体の13%を占めていた。
2019年8月21日に発表された7月の訪日韓国人の数は、前年比7.6%減少と微減にとどまったが、これは日韓関係悪化前から訪日を予定していた層が旅行に訪れたことが要因だと考えられる。
今後、訪日韓国人の減少が大きくなる見込みの地域は、韓国から近い九州や韓国人から人気の高い大阪・北海道・沖縄・東京だ。
ホワイト国除外、為替への影響は?
2019年9月18日17:30現在、USD/JPYに特に大きな影響は見られない。以下にUSD/JPY 1時間足のチャートを載せておく。
白色の縦のラインが9月17日13:00(日本時間)だ。白丸の部分、16:00頃に一時的な大きな為替変動が認められるが、その後の動きは落ち着いているように見える。
以前から「韓国による、日本のホワイト国除外」の可能性は報道されていたので、市場では既に織り込み済みなのだろう。