経済動向注視を優先し、利上げを一時的にストップ
米連邦準備制度理事会(FRBことFederal Reserve Board、通称Fed)が、6月13日、14日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、全員一致で利上げを見送ることを決定した。
これは、実に11会合ぶりの利上げ見送りとなる。もっとも、政策金利の誘導目標は、5~5.25%に据え置く。
米国の地銀シリコンバレー・バンクが破綻するなど、利上げによる経済への悪影響が懸念される中で、ひとまず利上げの手を止め、経済動向を見極める狙いがある。
とはいえ、米国では、人件費や物価上昇といった急激なインフレーションは止まっていない。そのため、FRBは、年内に2回に渡り追加で利上げをすることを示唆している。
利上げは、文字通り「金利を上げていく」ということであって、借り手の企業や個人にとっては、負担が増します。お金を貸し借りすること自体が減って、お金の動きも停滞するため、金融業者には大きな負担になります。
いわゆる、「資金の流動性低下」を招くっていうことだよね。
2023年末の政策金利は5.6%
14日にFRBが公表した経済見通しによると、2023年末の政策金利は5.6%とし、前回会合の3月から0.5%引き上げた。
つまるところ、FRBは、利上げを先送りすると言いつつ、「年内に0.25%の利上げを2回実施する」ということを予告したようなものだ。
不安定な経済動向と急激なインフレーションの狭間で、逆境に立たされた米FRB。自然とインフレーションが収まるとは考えづらい状況下で、金融政策の舵取りの難易度は、高まる一方だ。
今後、FRBが、どのような金融政策の舵取りを行うのか、世界中が注目している。
利上げには、プラス効果とマイナス効果がある中で、何を最優先とするのか・・・優先順位の立て方が問われるのは、ビジネスと同じですね。