マイナンバー誤登録により立入検査を実施
7月19日、個人情報保護委員会は、マイナンバーと公金受取口座の相次ぐ不適正な紐付けを問題視し、立ち入り検査を開始した。
デジタル庁からは、先月30日に報告書が提出されているが、今回の立ち入りにより実態解明を図っていく。
新聞各社の報道によると、個人情報保護委員会は、行政指導といった対応を行う可能性もあるとのことだ。外遊中の河野デジタル大臣は、「委員会の求めに応じて適切に対応する」とのコメントを出している。
「適切に対応する」のは、当たり前なんですよね・・・。
当たり前のことが十分に出来ていないから、こういった問題が勃発するんだよな。
立入検査とは?
個人情報保護委員会は、個人情報取扱事業者等に対し、指導・助言や報告徴収・立入検査を行い、法令違反があった場合には勧告・命令等を行うことがある。
立入検査では、違法行為やそれに準じた行為等の事実が存在すると見られる場合に、その事実認定を行い、その後の対応を検討するために行われる。
どうして立入検査をするの?
19日時点で、公金受取口座の誤登録が940件存在することが確認されている。
しかし、現行のルールでは、本人名義以外の口座登録は、認められていないため、デジタル庁による周知・誤登録防止対策等が不徹底であったという可能性がある。
そのため、個人情報保護委員会が、この度、立入検査を行って事実を確認し、その後の指導・勧告等を検討していくとのことだ。
ちなみに、公金受取口座の登録件数は、約5597万。 登録率は60.6%程度だとされている。
全体に対する割合としては、多くはないように見えますが・・・。
決められたルール通りの運用でなければ、その決まりが形骸化するよな。
そうですね。あと、ルールの周知不足というより、誤登録できてしまうシステム自体に問題がありそうですね。
公金受取口座とは?
給付金等の受取のための口座として、国民がデジタル庁に対し、銀行口座を登録することができる制度だ。
公金受取口座を登録することで、例えば、児童手当、年金、所得税の還付金等が受け取れるようになる。
現時点では、登録するかどうかは国民の任意となっているが、将来的には強制的に登録するよう法整備がなされるだろう。
個人情報保護委員会とは?
個人情報保護委員会は、日本の行政機関の一つだ。内閣府の外局であり、独立性の強い特殊な事務を行う。
具体的には、「個人情報の有用性に配慮しつつ個人の権利利益を保護するために個人情報の適正な取扱いの確保を図ること」を任務とする。
今回のように、内閣府に属する行政機関により、省庁が検査対象とされるのは異例なことだ。
公金受取口座の誤登録によって起こる問題
本人が受け取るべき公金の支給が、適正に行えないという問題が起きる。
戸籍上家族でもない、縁もゆかりもないであろう人の登録が、約940件発見されており、家族名義と見られる不適正な登録も、約13万件も見つかっている。
前者が問題なのは当然のこととして、後者についても、家庭内暴力・配偶者暴力(DV)により別居中の「家族」に対し、公金が支給されてしまうといった懸念が残る。
そのため、公金受取口座は、必ず本人名義の口座を登録しなければならないこととされている。
ネット上の反応は?
ネット上では、たいして問題視する必要がないという政府擁護論や、マイナンバーカードを巡って不祥事が相次ぐ政府に対して厳しい視線を向ける声で、「半々」に分かれてるという印象を受ける。
例えば、次のような意見がネット上で見られる。
全体を見渡せば、微々たる数。調査と対策をすれば、たいした問題ではないですよね。
河野大臣は、責任を取るんですかね~。いつものように、「時が経ったら、民は忘れる」という感じですか。
このような不祥事がある間は、マイナンバーカードの取得強制は止めるべき。マイナカードの取得強制によって、国民と政府の信頼関係は損なわれたと思います。
まとめ
- 19日に個人情報保護委員会が、デジタル庁への立入検査を開始。
- 立入検査で事実認定。判明した事実から、指導・勧告等の対応を検討する予定。