2019年12月13日の東京市場では、日経平均株価が取引開始直後から全面高の様相を呈し、600円近く値上がりして24,023円で取引を終えた。
なぜ、日本株が買われたのだろうか。その要因を考えてみたい。
イギリス総選挙で保守党勝利
イギリスの総選挙の開票作業が進んでおり、出口調査でも、ブレグジット(EU離脱)推進派の保守党が圧勝する見通しが固まった。
このことから、為替相場の急激な変動リスクなどの経済の先行きの不安感が払しょくされたことで、日本株が買われたのだと考えられる。
日米貿易摩擦解消へ一歩前進
現在、世界経済で最も大きなリスクともいえる米中貿易摩擦の解消へ向け、トランプ大統領が日本時間12日23時35分頃にTwitterで「中国と大きな合意に近づいている」とつぶやいた。
このほか、米国が中国に対し、15日に予定されていた追加関税の中止と既存関税措置の減額を提案したことが報じられたことで、米中貿易摩擦の解消へ一歩前進することが期待され、日本株が買われた。
今後も日経平均株価は上昇する?
ここ数か月で日本の実体経済を表す各種指標は悪化している。
例えば、13日に日銀が発表した第4四半期の大企業製造業・業況判断指数(DI)はゼロとなっており、前回の5ポイントから下落した。これで、4四半期連続での悪化となる。
そして、米国は2019年に7月、9月、10月と3度にわたり利下げを行ってきた。もっとも、日本はマイナス金利政策を実施しているものの、米国が利下げを行うと、日米間の金利差は縮小する。
今後も米国が利下げを行い、仮に日本がマイナス金利政策の弊害に気付いて同政策をやめるようなことがあれば、ドル円の為替レートは急激な「円高ドル安」を招いて日経平均は大暴落することになるだろう。