遂にテーパリング開始
2021年11月3日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が量的緩和縮小(テーパリング)開始を表明した。
新型コロナウイルス禍を受けて始まった異次元量的緩和政策を転換し、金融政策の正常化を目指す。
市場への影響は限定的
近々テーパリングが開始されるのは、多くの市場参加者が予想していたためマーケットへの影響は限定的だろう。
市場参加者の関心は、既に「利上げのタイミング」に移っている。
FRBは、月々約14兆円もの米国債・住宅ローン担保証券(MBS)を購入しているが、11月から1.7兆円ずつ段階的に減らしていく。
そして、このペースを維持すれば、来年6月には購入額がゼロになり、利上げの環境が整うことになる。
2022年の利上げは2~3回か
多くの市場参加者が想定する利上げ回数は、2~3回だという声が聞かれる。
とはいえ、パウエル議長は、「利上げを実施するには、より一層厳しい経済条件を満たすべきだ」としており、早期利上げには慎重な姿勢を示している。
しかし、FOMCの9月会合に合わせて公表された政策金利見通しを受け、2022年中の利上げを予想する市場参加者が増えているのは事実だ。
金利上昇への警戒感がある中、割安・好業績株が買われる
市場参加者が金利上昇への警戒感を強めるなかで、米国株高が続いてきた。
米国株高を牽引してきたのは、いわゆる「テック株(情報技術株)」だ。
金利上昇により、これまで急激に値を上げてきた高PERで成長性の高いテック株への逆風が強まることが予想され、割安・好業績株の見直し買いが期待されるという状況だ。