台風19号(ハギビス)の進路
政府により激甚災害に指定された台風19号(ハギビス)は、「非常に強い勢力」を保ったまま都心部を縦断し、50年に一度の大災害となった。
tenki.jpが提供する台風19号の進路予想図は以下の通りだ。
タイムラグこそあったものの、台風は概ね同サイトの予想通りの進路を辿った模様だ。
台風19号による被害
台風といえば「強風」による被害が想像できるが、台風19号(ハギビス)の場合は「川の氾濫・堤防決壊(浸水)」が目立ったという印象だ。台風19号による被害を項目別にまとめた。
なお、本稿に「全ての被害」を記載している訳ではなく、書ききれない台風被害が多数あることをご留意いただきたい。
川の氾濫・堤防決壊(浸水)
メディア各社の報道によると、10月14日夕方の時点で堤防決壊は7つの県で「37河川52カ所」となっている。()括弧内は、決壊が確認された堤防が位置する都道府県(又は市町村)だ。
写真は新潟県長岡市今井町付近の浸水した家屋。
国管理の河川の決壊
- 阿武隈川(福島県)
- 吉田川(宮城県)
- 都幾川(埼玉県)
- 越辺川(埼玉県)
- 那珂川(茨城県)
- 久慈川(茨城県)
- 千曲川(長野県)
県管理の河川の決壊
福島県
- 阿武隈川(矢吹町)
- 広瀬川(伊達市)
- 滝川(国見町)
- 濁川(福島市)
- 社川(白河市と棚倉町)
- 安達太良川(本宮市)
- 藤川(会津美里町)
- 三滝川(新地町)
- 宇多川(相馬市)
- 小高川(南相馬市)
- 前川(南相馬市)
- 川房川(南相馬市)
- 太田川(南相馬市)
- 夏井川(いわき市)
宮城県
- 渋井川(大崎市)
- 石貝川(登米市)
- 荒川(栗原市)
- 砂押川(利府町)
- 照越川(栗原市)
茨城県
- 藤井川(水戸市と藤井町)
栃木県
- 秋山川(佐野市赤坂町と大橋町)
- 荒川(那須烏山市藤田と三箇)
- 蛇尾川(大田原市)
- 黒川(壬生町上稲葉)
- 荒井川(鹿沼市野尻)
- 三杉川(栃木市下岡)
- 思川(鹿沼市久野)
- 出流川(足利市奥戸町)
埼玉県
- 都幾川(東松山市神戸)
- 新江川(東松山市古凍)
新潟県
- 矢代川(上越市)
長野県
- 志賀川(佐久市)
停電
東京電力パワーグリッド管内 | 約2万4千戸(千葉県中心) |
中部電力管内 | 1万6千戸(長野県中心) |
東北電力管内 | 約2千戸 |
断水
厚労省によると10月14日夕方時点で、13都県で約13万8千戸が断水している。浄水場が浸水したり水道管が破裂したりしており、復旧までに相当な時間がかかるようだ。
崩落
建物倒壊
全国で8000棟以上の住宅が浸水しており、800棟以上が全半壊か一部損壊の被害を受けている。
15日午前1時時点で58人が死亡
メディア各社の報道によると、台風19号の被害で亡くなった方は全国で58人となり、行方不明者は15人となっている。
福島県 | 18人 |
神奈川県 | 12人 |
宮城県 | 10人 |
栃木県、群馬県 | それぞれ4人 |
埼玉県、静岡県、岩手県、長野県 | それぞれ2人 |
茨城県、千葉県 | それぞれ1人 |
激甚災害とは?
政府は14日、台風19号(ハギビス)を激甚災害に指定する方針を固めた。ところで、激甚災害とは一体何だろうか。その定義を簡単に解説させていただこう。
地震や風雨などによる災害の被害が特に甚大であり、災地域や被災者に対する経済的支援が特に必要だと考えられるケースをいうとされている。
政府が指定するかどうかを決め、これまでに「94年の三陸はるか沖地震、95年の阪神・淡路大震災、98年の台風5~9号による暴風雨災害、2004年の新潟県中越地震、07年の台風5号による暴風雨災害、11年の東日本大震災」などが激甚災害に指定されてきた。
どのような経済的支援がある?
災害が起こると、その後片付けの費用として国から地方自治体に補助金が出るのだが、激甚災害に指定されると補助金の額が増える。
また、個人であれば、自宅が壊れてしまい解体せざるを得ない場合や長期間の避難を余儀なくされる場合などに補助金が受けられる場合がある。
それぞれの状況によって受けられる補助金の内容や手続きが異なるので、詳しくはお住いの地方自治体の担当者に聞いてみよう。