ATRの特徴&見方と使い方

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ATRとは?

ATR は、「Average True Range」の略だ。為替レートの平均的な1日の値動きをあらわす。為替レートが、1日の間で平均してどの程度動くのかということを把握しておくのは、大切なことだ。海外では人気の高いテクニカル指標だが、日本ではあまり知られていない。

ATRの計算式

1日の最大の値動き「TR(True Range)」を計測する。

  1. 当日の高値と前日の終値の差:当日の高値-前日の終値
  2. 前日の終値と当日の安値の差:前日終値-当日安値
  3. 当日の高値と当日の安値の差:当日の高値-当日の安値

1~3のうち、最も大きい値が「TR」だ。次にTRの平均値を計算する。

  • ATR=TRのn日間の指数平滑移動平均値

ATRの特徴と使い方

ATRはボラティリティを表している。ボラティリティといえば「ボリンジャーバンド」だが、ボリンジャーバンドは「n日間でどの程度の値動きがあったか」を示す一方、ATRは「1日でどの程度の値動きがあったか」を示す。

ATRは主にリスク管理に使う。1日中為替レートを眺めていられない場合、ATRを見て「ボラティリティが高く」なったら、ポジションを減らすといった使い方ができる。このほか、トレンドの発生・継続・終了を見極める手段としても有効だ。

ATRのシグナル

  • ATRの増加:トレンド発生(トレンド発展)
  • ATRの安定:トレンド継続
  • ATRが低い値で安定:もみあい(持ち合い相場)
  • ATRの減少=トレンド終了

ATRの見方&使い方

USD/JPYの日足チャートにATRを適用したので、ご覧いただきたい。

一つ目の白丸では、ATRが上昇傾向にあり、日足チャートも上昇トレンドを形成・発展させている。その後、ATRが減少しており、上昇トレンドは一服したが、再びATRが上昇している(2つ目の白丸)。ここでは、下落トレンドを形成している。

下落トレンド一服後には、3つ目の白丸の位置でATRが低位置で停滞しており、為替チャートは持ち合い相場に突入している。

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この記事を書いた人

慶應義塾大学経済学部卒業、FP2級、証券外務員一種、宅建士取得。証券アナリスト(CMA)、テクニカルアナリスト(CMTA)保有。 FOREX Dealing Crop.代表、株式投資家兼為替トレーダー、不動産投資家。2007年に大学入学と同時にネット証券の口座を開設し、株式投資とFXを始める。投資開始当初は、リーマンショックの渦中で信用取引の短期売買を繰り返し、アルバイトで貯めた56万円を失う「大損」を経験。家庭教師のアルバイトをしながら株式投資とFXを続け、学費を投資で稼ぐようになる。そんな投資経験を活かして大手証券会社に就職し、自社資金を運用するプロップ・ディーラーとして10年以上勤務。現在は、専業トレーダーとして、株式投資・FXでサラリーマンの平均年収の3倍以上の収益を上げつつ、不動産投資家としても活動。東京・大阪を中心にマンション投資を行う。自身の投資で得た経験と専門知識をもとに投資の難しさや面白さ、ノウハウを世に広めていきたいと考え、FOREX Dealingを立ち上げ、情報発信を行っている。

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