米FRB政策金利(FOMC)は据え置きの見通し
2019年12月10日と11日に米連邦公開準備委員会(FOMC)が開催される予定だが、金融政策の据え置きが見込まれている。このため、米国株式市場や為替市場への影響は限定的であるとみられる。
前回まで3回連続の利下げ
米国は、2019年7月と9月に続き、3回連続で10月にも利下げを行ってきた。米中貿易摩擦や世界経済減速を受けた景気の失速を防ぐのが狙いだ。ただ、12月の追加利下げには慎重な姿勢を示していた。
もっとも、10月の会合後の記者会見で、パウエル議長は、利下げ後の金利水準が「景気見通しを維持するために十分な条件を整えるものだと考えている」と述べ、3度の利下げによる効果に期待を示す一方で、利上げは視野に入れていないとしていた。
政策金利の利下げによる為替への影響は?
結論から言うと、米国の政策金利の利下げで為替のトレンドに与える影響はそれほど大きくない。
それでは、メジャー通貨の代表格のEUR/USDの日足を見てみよう。
2019年8月から12月までのEUR/USDのレートの動きをみると、9月末頃から約1か月間にわたり反発して上昇していることを除き、大きなトレンドは下落基調だ。
そもそも、FRBとFOMCとは?違いを解説
FRBとFOMCの違いが分からず、ネットでそれらのキーワードを検索されている方も意外と多いようだ。
そこで、ここでは両者の違いなどについて解説させていただく。
FRBとは?
FRB(The Federal Reserve Board)は、日本の日銀(中央銀行)と同じようなものだと考えて差し支えない。
なお、FBRは7名の理事から構成されている。
FOMCとは?
FOMC(Federal Open Market Committee)は、日本語で「連邦公開市場委員会」という。いわゆる、アメリカの金融政策を決定する会合であり、日本の「日銀金融政策決定会合」にあたる。
米FRBのFOMCは年に8回開催され、米国の景況感等を確認して政策金利の変更(または据え置き)などの金融政策の方針を発表する。
そして、FOMCの結果、マーケットの予想と異なる政策が発表されると、為替レートは大きく変動することになる。
2019年のFOMCの日程
2019年も間もなく年の暮れだが、今年の米FRBのFOMCの日程を振り返ってみよう。
なお、FOMC後の記者会見は、パウエルFRB議長が行う。
米FRBのFOMCの日程 | 記者会見(日本時間) |
1月20日~30日 | 午前4時半 |
3月19日~20日 | 午前3時半 |
4月30日~5月1日 | 午前3時半 |
6月18日~19日 | 午前3時半 |
7月30日~31日 | 午前3時半 |
9月17日~18日 | 午前3時半 |
10月29日~30日 | 午前3時半 |
12月10日~11日 | 午前4時半 |
米FRBが決める政策金利とは?
米FRBが年8回のFOMCで決める「政策金利」とは何か、ご存じだろうか。
それは、フェデラル・ファンド(Federal Funds)金利といい、FFレートと略すこともある。
FFレートは、米国の中央銀行にあたる連邦準備銀行に預け入れる「無利息の準備金(フェデラル・ファンド)」が足りない銀行が、それが余っている銀行から無担保で資金を借りるときに適用される金利だ。