米国が対中関税引き上げ(なぜ?経緯を解説)

米国が対中関税引き上げ(なぜ?経緯を解説)

中国に対する関税引き上げ22兆円分

経緯の前に、措置内容を確認しておこう。米国は、2019年5月6日、同10日に2,000億ドル(約22兆円)分の中国製品の関税を10%から25%に上げると表明した。米国時間7日にも正式表明する方針だ。

中国から米国への輸出総額は、5,050億ドル(2017年)なので、製品額ベースで4割近くが関税引き上げの対象となる。

 米国が対中関税引き上げ(なぜ?経緯を解説) - 日経新聞

トランプ氏の対中国関税引き上げは3回目

実は、トランプ氏による対中国関税引き上げは3回目だ。米国だけでなく、中国も米国に対する関税を引き上げており、互いに「関税引き上げ合戦」を繰り返している。

第一弾:産業機械や電子部品(340億ドル分に25%)

  • 2018年7月6日に発動
  • これに対し、中国は大豆や自動車など340億ドル分に25%の関税を設定。

第二弾:半導体や化学品など(160億ドル分に25%)

  • 2018年8月23日に発動
  • 古紙や銅くずなど160億ドル分に25%

第三弾:家具や家電など(2,000億ドル分に10%)

  • 2018年9月24日に発動
  • LNGや木材など600億ドル分に5~10%

 

これらを見ると、まるで両国は「オトナの喧嘩」をしているようだ。株式相場への影響は、「金額」が大きいだけに、相当な悪影響が予想される。為替相場については、今のところ、下落する株式相場の動向を横目に見ながら「ドルが売られる」流れが続いている。

なぜ再び、対中関税引き上げをする?

中国が「産業補助金」を出して企業を支援して、世界進出を果たすことが増えている。場合によっては、資本主義市場における「正常」な取引に支障をきたしかねないので、トランプ氏は、「産業補助金」を出すのをやめさせようとして、中国も合意していた。

しかし、最終局面間際になって中国が一転。合意しない(米国が求める基準は満たさない)方針を打ち出してきたため、トランプ氏はこれに対する制裁措置として、再び大規模な対中関税の引き上げをしようとしているのだ。

【決定】米国が中国に対し全輸入品に関税

5月10日、米通商代表部が中国からの輸入品すべてに制裁関税を課す準備を始めたと発表した。現在は対象外の「約33兆円分」に対して第4弾の関税発動を検討している。

トランプ大統領は、中国との貿易交渉を続ける意向だが、中国側は「必ず報復する」と息巻いており、事態が穏やかに収束する可能性は低い。