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金融政策決定会合で現状維持決定
2019年9月19日、日銀は金融政策決定会合を開き、現在の金融緩和策の維持を決定した。
日銀が取引先の金融機関から受け入れる当座預金(日銀当座預金)につけるマイナス金利は「年0.1%」とし、長期金利の誘導目標を「0%程度」で据え置く。
日銀当座預金とは?
次の3つの役割があるとされている。
- 金融機関が他行や日銀、国と取引を行う際の決済手段
- 金融機関が個人や企業に支払う現金通貨の支払準備
- 準備預金制度の対象となっている金融機関の準備預金
準備預金制度とは?
準備預金制度は、対象の金融機関に対し「預金等の一定比率(=準備率)以上の金額を日銀に預け入れること」を義務付けている。
日銀に当座預金または準備預り金として預け入れるべき最低金額を「法定準備預金額」という。
この制度は、1957年施行の「準備預金制度に関する法律」に基づき、金融政策の手段として導入された。なお、日銀は金融政策決定会合で「準備率の設定・変更・廃止」を行うことができる。
さらなる追加緩和はない?
結論としては、追加緩和はあり得る。
日銀は声明で、「2%のインフレ目標に向けての勢いが失速する懸念が生じれば「躊躇せず追加の金融緩和を行う」としている。
ただ、海外経済の減速や下振れ懸念を踏まえ、「より注意が必要な情勢になりつつある」としており、追加緩和に対して以前より前向きな姿勢を示している。
次回の金融政策決定会合はいつ?
10月30日(水)・31日(木)に開催される予定だ。
金融緩和維持による為替への影響
まずは、USD/JPY 1時間足を見てみよう。
日銀による会見は、9月19日(木)15時30分頃から行われた。現時点では会見後に大きな動きはみられず、市場は織り込み済みのようだ。
それ以上に、日本時間19日午前3時頃に行われた、米FRBの追加利下げ発表による影響の方が大きい。外資系ファンドが事前にFOMCの利下げ決定に関する情報を仕入れ、売り仕掛けをしている可能性がある。