海外FXで得た収入に税金はかかる?
国内であっても、海外であっても、日本に居住している人が外国為替証拠金取引(FX)で利益を上げれば課税対象になる。ただし、国内FXと海外FXには、税額など様々な違いがあるので、ご紹介させていただきたい。
確定申告は必要?
国内FX、海外FXのどちらを選んでも、外国為替証拠金取引(FX)で1年間に20万円以上の利益を上げた場合には、専業主婦やサラリーマンであっても確定申告が必要だ。逆に損失を出した場合には、確定申告をする義務はない。
それでは、国内FX・海外FXで得た収入にかかる税金の違いについて、見ていこう。
国内FXの税金
所得税の課税方式 | 申告分離課税 |
税率 | FXの利益に対して、一律20% |
確定申告 | 1年間に20万円以上の利益を上げた場合、確定申告の義務が生じる。 |
海外FXとの損益通算 | できない |
株取引との損益通算 | できない |
損益通算できる範囲 | 国内FX、先物取引、オプション取引 |
損失の繰り越し | 3年間繰り越しできる |
経費 | 少し難しい(経費が否認される場合あり) |
申告分離課税とは?
申告分離課税は、株式取引や国内のFX会社における外国為替証拠金取引(FX)により所得が発生した場合に用いられる課税方式だ。他の所得とは分離して税額を計算し、確定申告によって納税する。
損益通算とは?
利益と損失を相殺することを「損益通算」という。例えば、同じ年度内に国内FXで200万円の利益が出ていて、先物取引で80万円の損失を出していれば、両者の損益を通算し、「120万円の利益」の20%の税金を納めることになる。
海外FXの税金
所得税の課税方式 | 総合課税 |
税率 | 5%~45% |
確定申告 | 1年間に20万円以上の利益を上げた場合、確定申告の義務が生じる。 |
国内FXとの損益通算 | できない |
株取引との損益通算 | できない |
損益通算できる範囲 | 海外FX、年金、アフィリエイト収入、ネットオークション売上、講演料など |
損失の繰り越し | できない |
経費 | 国内FXより認められやすい |
総合課税とは?
総合課税は、サラリーマンとして受け取る給与所得と雑所得(海外FXの利益やアフィリエイト収入など)などを合算して税額を計算する制度だ。それぞれの所得をまとめて各種控除を引いた「課税総所得金額」に対して、以下の表の税率で課税される。
所得税の速算表
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1800万円を超え 4000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
※所得税の速算表:国税庁公式HPより
国内FXと海外FX 税金が安いのはどちら?
もし外国為替証拠金取引(FX)の収入だけしかなく、年間利益が330万円までなら、海外FXの方が15%~10%も税金が安い。
サラリーマンとしての収入がある場合でも、平均年収(400~450万円程度)以下の給与所得を得ているなら、各種控除を利用したり、経費を計上したりすることで税金を20%以下に抑えることができる。
海外FXのメリット まとめ
それでは、あえて海外FXを選ぶメリットを挙げさせていただく。
- ハイレバレッジで取引できる(最大888倍など)
- ゼロカットシステムがある(追証無し)
- XM(XMTrading)などの入金ボーナスや取引ボーナス(クレジット)は課税対象外
- 他の副業と損益通算ができる!
- 確定申告で経費が認められやすい
特に「ハイレバレッジ」や「ゼロカットシステム」といった海外FXの特徴は、外国為替証拠金取引(FX)をする人にとって大変魅力的だろう。また、海外FXは、他の副業(アフィリエイトなど)との損益通算ができる点も、非常に大きなメリットだ。
例えば、アフィリエイトで100万円の利益があっても、海外FXで100万円の損をしてしまったら、確定申告により雑所得は「0」になる。このため、この年度のアフィリエイトの儲けに対する税金は一切かからない。
海外FXのデメリットは?
デメリットがあるとすれば、2つだ。第一に、海外FXで稼ぎすぎると、税率が高くなること。そして、損失の繰り越しができないことだ。特に「課税総所得金額」が900万円を超えてしまうと、税率が一気に33%に上がってしまう。
とはいえ、海外FXは、国内FXよりもハイレバレッジ(最大888倍)でゼロカットシステムもあるので、上手に使えば国内FXよりも稼ぎやすい環境だ。税金を気にしなくて済むくらい、海外FXで大金を稼いでしまうという考え方もできる。
副収入が会社にバレないようにする方法
副業禁止の会社もまだまだ多いので、海外FXの副収入(雑所得)が勤め先にバレない(バレにくい)ようにする方法をご紹介させていただきたい。
会社に副業がバレるのはなぜ?
海外FXで取引をして雑所得を得ると、その金額に応じた所得税・住民税が決まる。所得税は、前年1月1日~12月31日の収入や経費等を申告して税額が決定され、源泉徴収分との差額を納付したり、還付を受けたりする。そして、源泉徴収との差額分の所得税の納付は納税者本人が行うので、会社とは無関係だ。
問題なのは、住民税だ。住民税は、税務署から納税者の居住する市町村(その年の1月1日の居住地の市町村)に確定申告のデータが転送されて、市町村にて計算される。
そして、納税者が会社員の場合には、住民税額が勤務先に通知されて、会社が住民税の特別徴収(給与から天引き)を行う。
このため、勤務先が支給している給与に対する住民税額とは合わない金額が記載されていると、総務や給与計算担当者が違和感を感じることだろう。この他にも、住民税決定通知書には、「主たる給与以外の合算所得区分」という項目があり、「雑」に印が入っていると、雑所得を申告していることが会社にバレる可能性がある(画像の赤丸部分)。
会社にバレにくくする方法
「副業バレ」を防ぐには、確定申告書の「住民税に関する事項」にある「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」を「自分で納付」にしておこう(e-Taxで画像の赤丸部分にチェック)。
そうすると、給料分の住民税決定通知書は勤務先に、副業分の住民税決定通知書は自宅に届き、副業分の住民税を自分で納付することができるはずだ。
人為的なミスを防ぐため、市町村にも電話して副業分の住民税を「一般徴収」にしてもらうようにお願いしておくと良いだろう。